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一流選手に学ぶパフォーマンスを最大化するコンピテンシーとは?|ピグマリオン効果


 今月中旬に合宿形式で恒例の管理職研修に参加してきました。今回は、主に組織構築やマネージメント理解を中心としたプログラムでしたが、その中で特に興味深かったのは「無意識的な行動特性をコントロールすること」がその人の可能性を何倍にも拡げる、自己の理想に対して信念を持って努力すれば叶う、といった主旨の考え方で、ピグマリオン効果になぞらえたものでした。


 これを転じて考えると「意識を変える」ということを強制的に自己に働きかけるだけでは、その成長スピードには限界が生じる。つまり顕在意識の中での可能性よりもそれ以外(潜在意識)をどう変えてゆくかを考えることが重要だということになります。


 確かに最もパフォーマンスを最大化できるタイミングというのは、日々の努力や蓄積した知識・体験が無意識的に言動として表面化された瞬間だと感じることは多々あり、なるほどなぁ、と目からウロコでした。


 そうした無意識的な領域をコントロールすることは、あらゆるパフォーマンスに大きな影響を及ぼしますが、特にスポーツという極限のパフォーマンスを要され、さらにその中でシビアな結果を求めらる世界では顕著でしょう。そのヒントとなる興味深いインタビュー記事があったので以下に引用します。


考え方で、成功している選手と失敗している選手がいる――

日本でも感じていたことですけど、メジャーに来ても、やはり、同じなんだなあと。つまり、同じ行動特性というか、成功する選手、失敗する選手では、発言とか行動が違うわけです。それはどこから来ているのかと考えたときに、考え方とか、物事のとらえ方が、行動、パフォーマンスに影響しているのではないかと。

――例を挙げると?

打撃練習をたくさんしても、ウエイトトレーニングをたくさんしても、打てないときは打てないと思ってしまう選手は、後者ですよね。その後に続くものを見ていない。それが大きいわけじゃないですか。例えば、きょう打てなくても、今のトレーニングは、1週間後、1年後に現れるかもしれない。その準備をしているという長期的なビジョンを持てる人というのは、一流選手だと思うんですよね。だから、短期的に結果を求める選手っていうのは、先を見ていない。きのう、あんなに練習をしたけど、きょうは打てなかった。もう、打撃練習をやめよう、となる。

――今まで、多くの選手に接してきた。前者の代表的な選手は?

ジェイミー・モイヤー(元マリナーズ、現フィリーズ)ですかね。彼は、イチロー選手に近い考え方というか、野球に対する哲学を持っていると思います。例えば、ダメな選手は、結果が出たら、きょうはアイシングはいいとか、きょうは疲れているから何もしたくないとか、そういうことがある。でも彼なら、パーフェクトゲームをしても、打たれても、次の日には同じことをするはずです。見ているところが違うというか、彼は毎日、自分の内面、内なるものと対話しているんでしょうね。

マリナーズのトレーナーが語る成功する選手の思考力とは
森本貴義氏インタビュー(スポーツナビ|コラム 丹羽政善)より引用


 かつて茂木健一郎氏とマリナーズのイチローの対談を見たことがあったのですが、その際も同様の話題がでていました。あらゆるスポーツ科学を踏まえてトレーニングを実施しているが、本番ではそれをいかに感覚的な領域に解放して反応できるがどうかが極限の状況で結果を出すためのカギとなるのだという。


 そのためには、日々のトレーニング(準備)をどう行うか、いかにあらゆる状況をシミュレーションできているかどうか、また自己の目標設定に意味を感じているかどうかがすべてだと。


 こうした一流選手のインタビューを見聞きすると、いかに行動特性が結果創出において重要かがわかります。今回の研修では、それがビジネスにも同じように通じる考え方だということが実感でき、自分の中ですべてがつながったような感動がありました。


 話は変わりますが私はここ最近、採用面接を行う機会が多くあります。応募者の行動特性や考え方、自己のビジョンに対する意味の持たせ方などを重視しています。採用面接なので多くの応募者は体裁の整った意見を述べますが、違った角度から同じ質問を投げかけるとその人の行動特性がよく見えることがあるんです。


 求める人物像として、一言でコミュニケーション能力や論理的思考力などを掲げることがあると思いますが、ポテンシャル採用ではない中途採用の場合、本質的には行動特性を見たいと思っています。入社後のパフォーマンスはもちろん、いかに当社のビジョンに共感・ミッションリンクできるか、他社員へどういった影響を与える人物なのかを判断したいと考えているからです。


 また自分自身の努力もまだまだ必要です。自分がどういった行動特性を持っているのか、変えてゆくべき部分はどこなのかをしっかり考えなければなりません。自分自身が一流の行動特性を得られなければ、当然採用活動にも狂いが生じてしまうでしょう。


 自己のイノベーションは当然として、組織全体の行動特性をいかに理想的に創り上げられるかが今後の課題になりますが、それもまた「ピグマリオン効果」がカギとなりそうです。

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写真 松岡雄司

講師およびCM制作会社での販売促進・制作経験より、一般消費者の「ブレークポイント」掌握を得意とし、専門である Webライティング・セールスコピー(DRM)を活かした先鋭的かつ等身大のコンテンツ提案を行う。また薬事管理責任者の有資格者として、薬事法・景品表示法といったビジネスコンプライアンスを踏まえたソ リューションを提示。