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「他責」から「自責」への考え方のシフトで課題発見力を養う ~政権交代という転換期、大局観を持って変化に順応する~

「民主党が政権を担える政党にならなければ、新党の可能性は再び浮上するでしょう。そもそも二大政党制といっても、本拠のイギリスですら自民党という第三党がある。二大政党が完全に信頼されているわけではないのです」

/『松下政経塾とは何か』(出井康博著)

 2009衆院選、今日は投票に行ってきました。冒頭で、ふと思い出したかのように松下政経塾に関する本書から引用したので、何か詮索される方もいらっしゃるかと思って先に弁明しておきますと、私には特にこれといった支持政党や特定の思想は持ち合わせておりません。もちろん国政に無関心というわけではないのですが、無知であることは認識していますので。

 さて、タイトルに掲げた「大局観」。ネットで意味を調べると、「物事を俯瞰して全体像をつかむ能力のこと」といったように説明されています。

cf.『アメリカを救った人事革命 コンピテンシー』や、「ASTD(American Society for Training and Development,アメリカ人材開発協会)」について触れたコラム

 今回のコラムでは、この度の衆院選において野党第1党が単独過半数での政権交代は現憲法下では初めてと言われる時代の転換期に、「大局観」を持って変化に順応する重要性のようなものを感じたので、書き留めておきたいと思います。そういう意味においては、今回の衆院選は私にとってはある種の成長を促してくれたのかもしれません。

 先般、弊社社長の木村が大変な時代とコラムに書きました。言われてみれば、確かに「大変な時代」だなと思います。私の周辺では、日々忙しく仕事に忙殺されることもしばしばではありますが、ふと、休みの日にテレビなどを見ていると、「忙しくしていても、そうでなくても、人生に満足しているとは言えないような人」を見かけることがあります。私も人間ですので、疲れが溜まってきていてプライベートな時間が取りにくいと、「仕事が忙しいことを不満」に感じることもあるのですが、「仕事がなくて不安」に感じている人や経営者様のことを思うと、「自分は恵まれている方なのだな」といつも思ってしまいます。

 私は自分の貯金を資本にして会社を起こした経験はありませんが、父が自営しているので幼少時代から経営者のメリット・デメリットを聞かされてきました。父はよく、冗談ともつかず、自身の仕事を「斜陽産業」と称し、私には「継ぐ気はない」と小学生の頃から言い続けてきました。今になって父の仕事の同業の方が2代目に引継がれ、この未曾有の大不況の中、それこそ選挙で言えば、「ジバン(地盤)、カンバン(看板)、カバン(鞄)」のないような状況に陥って、厳しい状況に置かれている2代目社長の方の話を聞くこともあります。経営がうまくいかないのは経営者が悪いのか、働いている人が悪いのか、 それとも政治が悪いのか――。それはきっとケースバイケースなのでしょうが、その後、幸せになる人もいれば不幸になる人もいるのは現実にありました。結局、何が悪くてもいいのですが、自分はどうなりたいのか、何をしたいのか?といった考え方は持っていたいと思いました。私のような凡庸な者ではこのような難題を解くことはできませんが、その代わり、バカの一つ覚えみたいに自分で好きになって留意している考え方があります。

 それは「他責で考えず、自責で考える」というものです。「責任力」と同義であるかは分かりかねますが。簡単に言えば、何か悪いことが生じた際に、「自分にも原因があるのではないか?」と考えることです。メンタルヘルス的な側面から見れば、その考え方が良いものかどうかは分かりませんが、自分には随分とフィットする考え方だなと思っていました。

 先の例で言えば、経営がうまくいかないのは、どのくらいのシェアを占めているかは分からないが、自分の行動にも遠因しているのではないか?という考え方です。自分にもっと能力があれば、行動力や決断力があれば、もっと広く俯瞰して先を見越せるだけの先見の明があれば、といった具合です。ちょうど大型船が、暗礁に気付くのが遅れて座礁することがあるように、「舵を切るのは誰だ、もしくは暗礁を見張るのは誰だ、暗礁の存在を知らせるのは誰だ、そもそもその役割を決めるのは誰の仕事だ」と考えてゆくと、自身がまったく関わらない航海というものはあり得ないと思っています。仕事もきっと同じで、そこで働く皆が少しずつでも関わりあって、「会社」という「社会」が築かれているのだと感じます(cf.「石垣論」/日比翁助)。そして、会社に限らずその小さな社会が集まって「国家」を成しているのだと考えれば、より一層、社会における自身の座標軸を認め、役割期待を上位のものに磨き、目標を高く持ち、自身の為すべきこと(課題)を多く発見していかなければならないと思えてきます。「情けは人のためならず」、そしてそれは、きっと自分にも返ってくる因果ではないかと思います。選ばれた天才であればもっと要領の良いやり方ができるのでしょうが、凡庸な今の私にはそのような取り組み方が合っているのだと認識しています。

 

 さて、ここで先の衆院選ですが、今もテレビでは開票が続き、ほぼ民主党の圧勝で終わることが見えてきています。麻生首相は「自民党に対する積年の不満をぬぐい去ることができなかった」と述べています。私とは、置かれた立場や考えなくてはならない影響範囲はまったく違いますが、「信頼の積み重ね」という本質の重要さを痛感しました。「誠意」とも読み替えることができるかもしれません。政治でもそうかもしれませんが、ビジネスでも個人にでも当てはまる本質だと考えます。一時、政治が混迷、複雑化し、投票率が下がった時期もありましたが、近年投票率は高まってきていると聞きます。投票前には、テレビでもネットでも民主党優勢で、ネット全盛のこの時代、「バンドワゴン効果」(cf.「バンドワゴン効果(Wikipedia)」)もより一層働くだろうと思っていました。誰しもが始まる前から分かっていたような結果だったようにも思いますが、今後の政治にも関心を持って、局所的に成果を捉えるのではなく、大局観を持って見定めるのも国民の義務ではないのかなと感じました。自民党の票が民主党に流れたとも言われていますが、多くの人はその期待した成果をどのくらいの期間で成し遂げることを望んでいるのだろうか、とふと疑問に思いました。フィリップ・コトラーの「Customer Delight」(cf.「カスタマ・ディライト(@IT情報マネジメント用語事典)」)によれば、顧客の期待よりサプライヤーのパフォーマンスが低下した状態では「顧客不満」になると説いています。国民の期待が、民主党の掲げたマニフェストや政策を迎合した根拠にもとづいていれば志(ビジョン)が同一なので支援に回ると思いますが、反自民党の思いだけが強過ぎる場合には、政権交代前の首相交代のときのように期待の裏返しで不満と出る懸念も考えられそうです。

 人は誰でも、自らの思想を意識することによって行動する。しかし、そういわれても腑に落ちないと思う人は多いであろう。そういう人は、時流に従って生きることになる。したがって、絶えずその時々の思潮をみていなければならず、せわしない。だが、自らの生き方の失敗を時代のせいに出来るという利点もある。世の不平不満家は、おおむねそうした生き方をしている。

/『新時代の創造 公益の追求者・渋沢栄一』(渋沢研究会編) 

 シニカルな考え方だと言われればそれまでですが、今までの歴史を振り返ってみても、どんな政治だって、憲法だって法律だって、そういったものがあるお陰で、日本だけでなく世界に生を受けているすべてのものにとって、都合の良い社会なんて存在し得たことはありませんでした。結局重要なのは、国民それぞれが自身の役割を知って、それを全うしようと誠意を持って努力することが重要なのではないかと考えます。

身はたとひ武蔵の野辺に朽ぬとも留置(とどめおか)まし大和魂

/『吉田松陰 留魂録』(古川薫全訳注)

 最後になりますが、今から2000年前くらいに、「運命は、志あるものを導き、志なきものをひきずってゆく」と言ったローマの哲人セネカの言葉もありますが、時代の潮流を受け止め、今どうあるべきかを考え抜き、大変化に順応しつつ、自身の課題を発見・設定し、それを一つひとつクリアしてゆくことが、今の時代に求められているのではないかと考えた良い契機となりました。自身に課題点が見つかるということは、それだけ成長の余白があるということ。課題が見つからないという人は、是非自身の中にうまくいかない原因を探ってみては良いかもしれません。

"キャリアプランニング"の過程で戦略思考を養う ~「役割期待を理解し、課題を設定・クリアする力」を身に付ける~

「過去十年間は、何を損して何を得たのか。いまは何の商売をやって、その繁盛のようすはどうか。いまは何を仕入れて、いつどこでこれを売りさばくのか。ここ数年、心の店の取り締まりは行き届いていて、遊び癖や怠け癖などという店員のために、損失を出したことはないか。来年も同じ商売を続けていて大丈夫か。ほかにさらに知性や人格を磨く工夫はないか」とあれこれの帳簿を点検して、棚卸しの決算をすることがあれば、過去現在の自身の状態について、きっと不都合なところも見つかるだろう。

/『学問のすすめ 現代語訳 福澤諭吉』(齋藤孝訳)

 夏季休暇を終え、明日から通常業務が始まります。休み前に、先月の合宿研修に続いてフォローというか続編に当たる管理者向け研修がありました。平均年齢が若い当社で働くスタッフにとって、外部講師を招いた研修ほど安心するものはありません。特にお客様の経営課題に向き合いWebコンサルティングを提供する者として、また、しっかりとしたWebコンサルティングを提供できる部下を育成していくために、「理想のリーダー」にならなくてはならない立場でもある管理者にとって、こうしたセミナーには思わず貪欲になってしまいます。

 前回の合宿研修では、自身の使命を書き出して、会社のビジョンにリンクさせ、今期経営テーマである「百花繚乱」を実現する考え方について学びましたが、今回の研修では「ケプナー・トリゴー法(KT法)」など、具体的なメソッドについて学びました。 

 今回のコラムでは、セミナーの詳細内容についての紹介に終始するのではなく、そこで私自身が感じたことについて書きたいと思います。

 

■IPAがITアーキテクトなど9職種の“理想の人生”を作成(ITpro,2009年8月11日)

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090811/335516/

 上記のような記事がありました。記事中に「モデルキャリアを提示することで、学生や若手エンジニアに広がる将来への不安感の払拭を狙う」という一節があり、興味深く感じました。また、そういえば以前、以下のような記事があり、それが伏線となっていることを思い出しました。

■IT業界の「3K問題」 NTTデータ社長の考えは?(@IT,2007年5月9日)

http://www.atmarkit.co.jp/news/200705/09/nttdata.html

■IT業界不人気の理由は? 現役学生が語るそのネガティブイメージ(@IT,2007年10月31日)

http://www.atmarkit.co.jp/news/200710/31/ipa.html

 最近では当社が提供する「Webコンサルティング」も、業界地図の中で見ればその一翼を担う社会的地位も得てきたと思いますが、業界経験や研究の浅い学生さんなどから見れば当社をはじめとした「Webコンサルティング企業」に対しても十把一絡げに同じようなイメージを抱かれる方も多いのではないかと想像しました。ただでさえ当社は創業ベンチャー企業ですし、インターネット普及による情報過多なども手伝って色眼鏡で見られる方も多いのではないかと客観視しました。また、「職業選択の自由」と権利は与えられていても、自由があるが故に「迷い」という表裏一体の心理状況も生まれるものと想像します。

 事実、最近では2011年卒業見込みの学生さんの面接に立ち会うこともあり、この業界や当社へ対するイメージをお尋ねすることがあるのですが、インターンなどで職場体験をしたことのある方以外で明確に返答される方は少なく、多くの方が「期待と不安の入り混じったイメージ」を抱かれていることを実感します。それだけ仕事内容や扱っている商品・サービスが分かりにくいものなのかもしれません。そうした意味で、IPA(情報処理推進機構)がモデルキャリアを提示しようと動いてくれていることは間接的には助かります。

 しかし、こうしたオーソライズされたモデルキャリアはあくまでもモデルであって、それが当事者にとってその通りになることを約束しているものではないのが注意したいところです。そのときの世の中や会社の状況、当事者の努力といった変数によって結果はいくらでも変わっていくものと思います。であるなら私は、「ぶれない軸」をそうした"(社会的)規範"に求めるよりも、"自分"に求めた方が良いと考えています。つまり、世の中や会社の状況がいかに変わろうと、そのとき最善の選択・行動をできるような人間になろう、という考え方です。ただでさえ、昨日正しかったやり方が今日になって通用しないというくらい時代の流れが速くなってきている昨今、表層的な方法論だけ知ったところで物事が思った通りに運ぶようには思えません。

「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」という有名なハムレットの独白で、彼が自分に向けた質問です。簡単に答えを出すことができない質問といってよいでしょう。子どもが親に甘えて「ぼく、どうしたらいいの」などというのも、本来は自問すべきもので、だから答えはないのです。

/『プロカウンセラーの聞く技術』(東山紘久著)

 特に管理職、リーダー職となると、求められる選択は二律背反した内容がほとんどです。「顧客満足を追う一方で、数字を求められる」、「品質を上げろと言う一方で、コストを削減しろと言われる」、「成果を出せと言う一方で、部下の育成を求められる」など、挙げれば枚挙に暇がありません。

 そのため悩むことも多いですが、私は「"悩む"なら答えが出るまで悩む」ようにしています。以前に「悩む前に考える」と表現したこともありますが、管理職・リーダー職の仕事は悩むことではなく、決断することが仕事です。散々悩んだ挙句に答えが出なかったら精神的に参ってしまうし、中途半端に悩むことだけは避けたいところです。さらに言えば、悩んだ時間は非生産的であり、上記のような判断を迫られるケースが今後も増えてくるのは避けられない事実であると予測すると、「悩む時間を最小に抑え、最適解を即断即決できる考え方」を身に付けていかねばなりません。

 

 ところで、冒頭で福澤諭吉の著作から引用を行いました。福澤諭吉と言えば、今年初めに慶応義塾創立150年を記念した「未来をひらく福沢諭吉展」が東京上野で開催されました。現在は福岡を巡回して大阪で開催中のようですが、私は行き忘れてしまったため、22日からの神奈川県立歴史博物館の展示は機会があれば見に行きたいと思っているところです。

 こんな昔に、今の時代で言う「キャリアプランニング」について書いていることは興味深いことですね。また、「棚卸し」というようにも書いていますが、自身のキャリアプランを練るには必須の考え方ですね。

 このキャリアプランニングという思考過程は、WebコンサルティングやWebマーケティングを考える上でも重要になってくるのではないかと私は考えています。キャリアプランニングの一般的な過程は、まず自身の棚卸しからはじめ、強みや弱みを洗い出して、そこから自分が活躍できる機会など、自身の意義や価値を見出していきます。そこから実現したい理想の姿や障壁・課題を想定し、そこに行き着くためにどうすればよいかといった方法論を模索していきます。この行為を自分で行えない人のために、キャリアコンサルタント(アドバイザー)とか、キャリアカウンセラーといった専門家が存在するように、対象を自身から「自社のWeb戦略について、専門家からのアドバイスを期待する経営者」にスライドして考えれば、Webコンサルタントに求められている職能について洗い出してゆくことは可能そうです。

cf.期待される能力と役割 ミドルマネジャーの現状part2(産業能率大学 総合研究所)
http://www.hj.sanno.ac.jp/cgi-bin/WebObjects/107c2074456.woa/wa/read/11dad067f8d/

 入社したばかりの頃は、上司の期待に応えられる社員を目指せばよいですが、職位や権限が上がるにつれて責任も増し、ステークホルダーも拡大し、部下やお客様など、同時に期待を満たさなくてはなりません。それぞれ求めていることは違う筈です。まずは、それぞれの役割期待(ニーズ)を認識するところから始まります。その上でそれぞれの目指すべき理想の姿(目標)を描き、そこに到達するためにクリアしなくてはならない課題を抽出し、実際にクリアするための方法論(戦略)を策定していきます。部内でこのような話をしたとき、慣れている人はホワイトボードにロジックツリーを書いて情報を整理しようとする者もいますが、慣れていないとなかなか絵(図)として頭の中に描けないようです。

 情報を図像化することで、漏れの少ない情報交換ができるようになります。これで立場を違える同士で最適なコミュニケーションを図ることができます。当社は、CS本部だけでも様々な職種に分かれて協働していますので、コミュニケーションについても意識することは多いです。

 このようにして、日々養われる戦略思考をお客様に提供し、またその際に得られた経験を社内での通常業務やマネジメント業務に生かすことで、提供サービスの質の向上やスピードアップを図っていきたいと思います。


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写真 執行役員CS本部長 小川 悟

Twitterやってます。CS本部はディレクター、ライター、Web/映像クリエイター、QC(品質管理)スタッフ、Webアナリスト、コンタクトセンターからなる部門です。中小・ベンチャー企業向けWebコンサルティングを提供する上で必要な人財の育成、生産管理、サービス体制の整備を行い分業・専門化を進める傍ら、営業部門やお取引先様も巻き込み、各工程別ガイドラインの整備や業務の標準化はもちろん、前工程・後工程のスタッフを「みなし顧客」として成果のフィードバックを行うことで内部牽制したりといった品質管理を行っております。また、一部広報業務も兼務しています。座右の銘は「桃李言わざれども下自ずから蹊を成す」(『史記』/司馬遷)