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「2007年問題」をポジティブ・シンキングで捉える。

 昨年から今年にかけて、「2007年問題」という用語を多く目にするようになりました。

 「2007年問題」とは、団塊の世代(1947年から1949年にかけての戦後第一次ベビーブームの間に生まれた人々を指して言われる言葉で、堺屋太一氏が1976年に書いた予測小説『団塊の世代』で用いられるようになった用語)の定年を迎え、一斉退職によって引き起こされる諸々の問題のことを総称して表す言葉です。

 現在60歳である人が定年により退職をするとなると、まず最初に想像することは勤め上げた企業から退職金が支払われることです。これは日本全体で見るとかなり多額なものとなると思われます。日本の高度経済成長に合わせて70年代に大量採用をし、その後のバブル崩壊や平成不況に対してリストラや地方転勤、早期退職制度導入など企業再編による善後策でやっとのこと乗り切ってきた大手企業にとっては再び財務面による打撃を受けることになるのではないでしょうか。

 同時に経験を積んだベテラン社員が引退することでもあり、団塊の世代採用後に消極的な採用活動を行ってきた企業であれば、そうした採用活動が生んだいびつな組織体制の中、現在"売り手市場"などと言われ、ただでさえ難しい採用活動において極力有能な人材の獲得に躍起となっている風潮はあるものの、教育リソースの不足の点では採用活動には苦渋の選択を迫られている時期ではないかと想像します。特に今まで売上至上主義で成長してきた企業においては、経年によって蓄積された企業ノウハウが踏襲されておらず、結果として開発力や競争力を減退させ、さらには事故の誘因となるようなリスク増大の懸念も想定されます。2005年4月25日に起こったJR福知山線脱線事故で関連資料として公開されたJR西日本職員の年齢構成表は象徴的でした。先述した『団塊の世代』の中では、以下のように表現されています。

 

「かつては若者の代名詞のようにいわれた「戦後っ児」はすでに三十歳を越えており、かつては美しいピラミッド型だった従業員年齢別構成図は見苦しい中ぶくれに変っている。そして、毎年確実に上昇して来る人数の塊は、より高い賃金とより高い地位とを求めているのだ。(中略)成長の止った企業にとって、増大する人件費を支払い、年を取って来る多数の社員に然るべきポストを与えることは、到底不可能である」

 

 すべての企業で同じ状況とは言えませんが、あたかも大型客船が目の前の暗礁に乗り上げることを回避できない状態のように、小回りの利かない大規模な組織経営の難しさを感じました。規模が大きければ大きいほど、早めに舵を切らねばならないのです。最たる組織形態が"国家"であって、その方針が政治によって決定されています(cf.「政治はすなわち国家の経営」/松下幸之助)。団塊の世代の定年に付して昨今懸念されているのが年金や少子高齢化による医療負担などで、世界競争力・生産力の減退に重ねて国の借金も増加傾向にある中、八方塞がりな感も否めない時期です。

 

cf.「日本の借金時計」

http://www.takarabe-hrj.co.jp/clock.htm

 

 『団塊の世代』が書かれた70年代当時は団塊の世代が社会へと進出し、「ヤング」や「ハイティーン」といった呼称で呼ばれた時期とも重なります。『アンアン』や『ノンノ』といった女性向けファッション誌が創刊され、「アンノン族」なる言葉まで生みました。原宿には若者向けブティックが林立し、三宅一生氏や山本耀司氏、川久保玲氏ら高名なファッションデザイナーが続々と自ブランドを設立し、いわゆる"DCブランド"が台頭した時期でもありました。

 しかし78年、「アイビールック」、「アイビーファッション」など流行を生んだ、服飾界では団塊の世代からの支持を受けたVANが倒産、石津謙介氏によって切り開かれた若者のフリースタイルは、画一化された商社の販売戦略によってVANの生命線とも言うべきポリシーが壊され、終止符が打たれました。80年代に入り、浅田彰氏によって「スキゾ・パラノ」(cf.『逃走論 スキゾキッズの冒険』)といった分類が唱えられた後は人々の消費に対する価値観も大きく変容し、インターネットの出現によってそれは決定的なものとなりました。

 

 インターネットが「第5のメディア」と呼ばれた時期は久しく、2004年には雑誌広告の出稿高を追い抜き、実質第4のメディアとなりました。また、今年2月に電通総研が発表した「2006年日本の広告費」によれば、2007年には雑誌広告のそれをも追い抜き、2011年には7,500億円を超える試算とのことで、大手広告代理店では新鋭のネット企業との事業提携を進めたり、宣伝広告系の雑誌でも今まではあまり採り上げることが少なかったインターネット業界の特集が多く組まれるようになりました。そうした「メトカーフの法則」(cf.「メトカーフの法則 ? @IT情報マネジメント用語事典」/アイティメディア株式会社)に基づいたメディア・広告界の動きが「勝ち馬効果」を招き、インフラの発達(ブロードバンド化、モバイルの普及等)や消費者のライフスタイルの変遷により、今後のインターネット広告分野はさらなる飛躍が見込まれます。

 

 この動きは、私たちの属するインターネット業界では願ってもない機会であり、先の2011年の未来社会でどのくらいの規模のマインドシェアを有していたいかといった希望を抱かせます。企業のライフサイクルにおける成長期が市場拡大の時期に合致することで、有限のサイクルの中で最も収益率の高い企業活動を行うことができるのではないでしょうか。

 また、当社が中期経営ビジョンとして掲げる「共存共栄のインターネットコンサルティング」に即して考えると、そのときに現在のステークホルダーであるお客様や社員などがどれだけ成長しているかによって、そのシェアや収益率も変わってくるのかと思うと今から楽しみでなりません。

 

 そういった未来予測をモチベーションの源泉として、私たちは企業努力を続けていきたいと考えています。

今後も私たちの考えに共鳴して頂けるような方々と、できるだけ多く出会っていければと思います。

CS部とミッション・ステートメントのご紹介

皆様こんにちは。

 前回の記事では、僭越ながら私自身のご紹介をさせて頂きましたので、第2回は私が管理しているCS部のご紹介をしたいと思います。

 

 CS部はちょうど"工場"にあたる部門です。

営業部が受注したお客様を、業務部にて与信及び契約管理を致します。

そうして当社の「お客様」となったご契約者様へ当社サービスを提供、保守・メインテナンスをお受けする部門となっております。

 

 簡単に業務内容を公開させて頂きますと、分かりやすく「Webコンサルティング事業」を例として挙げますが、営業マンがプロデューサーとなって1件の受注を短期プロジェクトとしてグランドスケジュールを出した後で、CS部からはWebディレクターが営業マンに同行して顧客と打ち合わせを行い、その後要件定義を行います。

 次に社内のWebライターに要件が伝えられ、Webサイトの要とも言うべきテキスト起こしの作業に入ります。

仕上がったテキスト原稿と策定したワイヤーフレームを元に、コーダー(兼マークアップ・エンジニア)とデザイナーへ指示出しを行い、いよいよWebサイトの制作に取り掛かります。

 仕上げとして、QC(クォリティ・コントロール)担当者とWebディレクター、及び営業マンの確認が入り、問題がなければ顧客納品です。また、納品直後から早速、SEO担当者によるメインテナンス作業が始まります。

 納品後のお客様からの修正依頼などはコンタクトセンター部門が一時的にお預かりし、Webサイトの新規制作とは別のラインである専属の担当者が修正業務を担当します。

 「顧客のベネフィット」をゴールに掲げて、営業マンやWebディレクターといった上流工程に始まり、SEOやQC(クォリティ・コントロール)、CC(コンタクトセンター)部門の下流工程に至るまで、各部門の責任者(マネージャー)が責任を持ってお客様へ提供するサービスを監理監督致しております。その際に留意しているのが、「生産管理のQCD」です。QCDとは、Quality(品質)・Cost(コスト)・Delivery(納期)の頭文字をとったものです。最低限として、品質管理・コスト管理・納期管理がしっかり行えていなければ、どれだけ長時間仕事をしていても意味がありません。CS部員は皆、日々このQCDの「カイゼン」に対して試行錯誤しています。

 

 しかし、皆がどんなに頭を悩ませながら制作した成果物でも、納品したお客様にご満足頂けなければまったく意味がありません。良かれと思ってした行為が、お客様の不満に繋がったりすることもあるのです。このへんが既製品と違い、オーダーメイド製品の悩ましいところです。

 むやみにCRM(顧客関係管理)を掲げるのは良いのですが、履き違えてはならないのは「お客様を満足させること」ではなく、「お客様が満足すること」です。この二つは似て非なるもので、前者は主語が自分、後者はお客様となっています。ケースによっては、このように客観的な視点にフレキシブルにスライドして考えることが出来なければ真の顧客満足は得られません。とはいえ、言うは易し行うは難しです。

 

 そこで、CS部では以下の4つの「ミッション・ステートメント」を掲げました。

 

1、顧客至上主義

2、コストセンター

3、独自のバリューを築こう

4、仕事は楽しくやろう

 

 「ミッション・ステートメント」とは、言い換えれば"信条"のようなものです。当社では"芯"と言われたりもします。

人は誰でもそれぞれの価値観を持っていながら、何か良し悪しの判断をする際には必ずこの"信条"の優先順位に基づいて判断を下しているかと思います。判断する際に優先順位を付けられなくなった状態を俗に「悩む」と言ったりしますが、目的を明確にした後は確固とした「芯」と「意志(ヴィジョン)」さえあれば悩むことはありません。悩む対象は常に「手段」であって、「目的」は悩むべきものではありません。「目的」は事前にしっかりと決めておくべきで、悩む前に「考える」ことをCS部では重要視しています。考えに考え抜いて重み付け(重要度・緊急度の座標へのマッピング作業や、メリット・デメリット等の切り分け・グルーピング作業)と優先順位付けさえできれば、誰でもこのミッション・ステートメントの支えを受けながら、自発的な行動(手段)がとれるようになるという不思議な力を宿した合言葉なのです。

 

 日々忙しい中で仕事をしていると、人は誰しも気が付かないうちに自己中心的な言動を行ってしまいがちです。

Webサイトの改善案を出すにも過度に個人の技術やセンスに由来していたり、「お客様が納得してくれない」といった責任転嫁のような発言はままあることです。しかしこれでは真の問題解決にはなりません。Webコンサルタントが自身の問題について解決出来ないのは問題であるので、状況判断を行う上で必要なエッセンスを優先順位順に示したものが上記のミッション・ステートメントとなります。

 

 組織が拡大する中で、こうしたマニュアルでは伝わりにくいDNAのような想いの塊を後継者に伝えてゆくのは至極困難ですが、しっかりと計画立てて構築していかないと取り返しのつかないことになってしまいます。そのことは堺屋太一氏が代表作『団塊の世代』の中で主人公を通して述べられていましたが、この「団塊の世代」については次回に触れてみようと思います。

 

 それから、先のミッション・ステートメントについても、詳細まで説明すると長くなってしまいそうなので、また別の機会に触れたいと思います。

 

cf.CS部の体制は以下のページをご覧下さい。

http://web-consultants.jp/cs/director.html


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写真 執行役員CS本部長 小川 悟

Twitterやってます。CS本部はディレクター、ライター、Web/映像クリエイター、QC(品質管理)スタッフ、Webアナリスト、コンタクトセンターからなる部門です。中小・ベンチャー企業向けWebコンサルティングを提供する上で必要な人財の育成、生産管理、サービス体制の整備を行い分業・専門化を進める傍ら、営業部門やお取引先様も巻き込み、各工程別ガイドラインの整備や業務の標準化はもちろん、前工程・後工程のスタッフを「みなし顧客」として成果のフィードバックを行うことで内部牽制したりといった品質管理を行っております。また、一部広報業務も兼務しています。座右の銘は「桃李言わざれども下自ずから蹊を成す」(『史記』/司馬遷)