【第1回】女性映像D「イトキン」が語る!Web動画制作現場~AD(アシスタントディレクター)時代の苦悩編~

投稿者:コンテンツ編集課

2013/09/07 16:41

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こんにちは、初めまして!
現在フリーセルで日々映像制作を担当しているイトキンと申します!

イトキンは、まだまだ未熟者ということもあって、先輩方のように難度の高い企画制作やクレーンを使った撮影・演出を仕切ることはできません。が、映像への情熱は誰にも負けていないと自負しております。そんな私が、メインで担当しているのが『歯科タウン』に掲載する歯科医院様の動画です。

約6年、ずっとプロダクションマネージャー的な役割、つまりAD(アシスタントディレクター)をやっていましたが、最近ようやく、『歯科タウン』を通して独り立ちすることができました!

●歯科タウン 動画掲載医院一覧
http://www.shika-town.com/clinic/movie/

さて今回より、イトキンが日々奮闘しているWeb動画制作の現場から、その苦悩と成長をコラムを通して私なりにお届けしていきたいと思っています。

Web動画初心者でも、お客様の立場に立ち、学習を続け、現場で奮闘していれば成長できるのだ!お客様に喜んでもらえるのだ!そんなホットな気持ちになって頂ければ幸いです。

イトキン、苦い経験を乗り越える

歯科医院と一括りに言っても、お客様の要望は実に様々。他の歯科医院より優れている点、魅力的な点、そんないわゆる「強み」は多種多様、十人十色です。では、それをどうすれば動画を通じてユーザーに届けることができるのでしょうか?

現在は、ディレクターとして様々な歯科医院の先生方と直接関わり、企画から撮影、編集まで、担当させていただいておりますが、駆け出しだった数年前までは、本当に失敗、失敗の連続でした。それは、それは、もう、先輩からの長時間にわたる説教を喰い続ける毎日……。

もっとも、そのころの失敗から得た教訓が今のディレクションに役だっている面が大きいのですが。やっぱり映像Dは現場でいかに失敗をして、そこから気づきを得て、考えていくことができるか、これに尽きますね!

前置きが長くなりましたが、過去の私の失敗が今どのようにお客様のプロモーションに生かされているのか、今日はそんな話をしていきたいと思います。

AD時代のイトキン失敗談

ADは動画制作の際、先輩Dの厳しいチェックを受けOKが出てようやく放送(ホームページに公開)に至ることができます。駆け出しだった最初の頃はこのチェックがまったく通らず、ダメ出しを繰り返し受けました。当然、納期があるので、編集・修正作業が深夜に至ることは日常茶飯事。でも楽しいんですね。苦しいのに楽しい。不思議なもんです。

「このテロップに何の装飾も施していないのかまずかったかな」
「最近覚えたこのタイトルをピカピカ光らせる技でインパクト付けてやる!」
「唐草模様とかを動画に沢山入れたらもっと豪華になるよね!」
「自作のエフェクトで考え抜いた編集だから大丈夫だろう」

その他、歯科医院のお客様自慢の最先端技術や最新設備のPRをふんだんに取り入れたり、エフェクト満載のカッコイイPR動画に仕立てたり。でもなぜか自分で「頑張って作ったもの」ほどOKを頂けないのです。

かと思えば、自分では「あまり手を加えた実感がない」ような、殆どお客様のインタビューだけで完結しているような動画はあっさりOKなんてこともよくありあました。通ってしまう事が沢山ありました。

先輩がOKを出す基準が読めません。
かなり困惑しました。

理由は後になって判明します。

ある時、私の動画がお客様に褒められるようになっていきます。何が良かったのかはすぐには理解できませんでしたが。

「近所の患者様が僕のインタビューを見てくれたみたい」
「動画見てくれた患者さんが『先生優しそうだから』って来てくれたんだよ」

そんな喜びの声をくださる先生が増えていったのです。

そして気付きます。
先輩のチェックとの共通点に。

『反響があった』動画事例の多くは、出演者である先生の「親しみ易さ」が表現されていました。

話し方、表情、雰囲気、安心感を与えるようなオーラ。

怖くて痛そうな歯科医院でも、「こんな先生に診てもらえるなら安心できる」と思えるような……。

つまり、編集ではなく、出演者である先生をどう演出するのか、ここがポイントだったのです。

編集でこねくりまわしていたイトキンには衝撃の盲点でした。

私が「編集」しまくっていた時間は何だったんだ!

確かに、映画で言えば、俳優さん、女優さんの演技、ロケーションをうまく盛り込むことができれば過剰な編集は不要です。

コメントフォローがいちいち光ったり踊ったりしていたら鬱陶しくて仕方ありません。それなのに、当時のイトキンはテロップをキラキラにしてみたり、30秒近いオープニングを挿入したりして全然違うところに力を入れていたのです。

そんな時間あるならもっと出演者自身の人柄を表現する編集をしろよ!
先輩は無言のメッセージをイトキンに送っていたのですね。

「患者様に見てもらえる」歯科医院のプロモーション動画

現在はこの苦い経験を糧にして歯科タウン動画のディレクションをする際、先生ご自身が輝いて見えるような構成を最重要視するようにしています。先程の例では「優しくて親しみやすさのありそうな先生」の動画の反響が良かったとご紹介しましたが、先生は十人十色。

医院の強みにも意外に大きな違いがあります。

例えば、人前で話すのが苦手な恥ずかしがり屋の先生には、医院のコンセプトを伝えられるキーワードを幾つかピックアップし、先生に負担がかからない短い字数で重みが伝わるお言葉を引き出していく。「口数は少ないけれど、信頼できそうな先生」像がPRできるわけですね。

あまり流暢に話しはできないけれど、情熱や伝えたい事は沢山ある!という先生には、事前に台本を先生と打ち合わせのうえ作り込み、本番はカンペ付きで撮影することでリラックスしてお話して頂けるように演出していきます。

そうすることで自然に素晴らしい一言が放たれる、ということもしばしばあり、先生ご自身で驚かれることもあります。

また、台本通りにトークしてもらいながら、先生ご自身が発したスペシャルな一言を組み合わせることで「淡々としゃべっているけど、言う事は言うインパクトのある熱い先生」という演出も可能になります。

他にも、「絶対カメラの前ではお話はできませんっ!」という先生がいらっしゃっても、先生ご自身が一番活躍されるオペのシーンをふんだんに盛り込むだけで「言葉ではなく背中と実力で語る」先生として信頼感のアピールに繋げることも可能です。

イトキン流!現場演出

無論、現場の雰囲気作り(演出)が命、ディレクターの腕の見せどころです。
先生にリラックスしてお話頂くためにあれこれ色んな手法を繰り出しています。

例えば、先生の強みを導きだすため「とりあえず、(カメラを)まわしておきます」とお断りした上で質問を投げかけます。

台本を読むのとは別に対話形式のフリートーク時間を作るのです。

イトキンと話しているうちに自然に先生の考えがまとまり「これを言いたい!」というポイントを掴まれるケースがあります。

うまくいけばそのまま撮影素材として使うこともできますし、失敗したとしてもこの段階で先生がかなりリラックスされるため、本番で良いコメントを取れることが多いです。

「“とりあえず”カメラ回します」
「“念のため”押さえさせていただきます」
「“一応”もう1テイクお願いできますか」

アンタ本気で撮る気あるんかい!

そんな突っ込みが入りそうな言葉を連呼して、先生が自然な感じでお話できる状態までちゃっかり誘導という常套手段です。

最後に

動画を作るからには、写真や静止画、文章だけでは伝えられないお客様の人格を効果的に演出することが最も大切。「次はどんなお客様に出会えるのかしら」「素敵な先生魅力をしっかりとユーザーに届けたい」と、イトキンは素敵な先生の演出を楽しみに日々奮闘中です。

脈絡のない長文・駄文、たいへん失礼しました。

次回以降、より突っ込んだWeb動画プロモーション、動画マーケティングについて語っていきます。
ぜひ「女性映像D「イトキン」が語る!Web動画制作現場」をお楽しみに!

【編集担当:伊藤ちはる】

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