【第2回】女性映像D「イトキン」が語る!Web動画制作現場~「エンドユーザー」目線編~
投稿者:コンテンツ編集課
2013/09/19 15:11
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みなさん、こんにちは。
映像ディレクターのイトキンです。
前回のコラム『【第1回】女性映像D「イトキン」が語る!Web動画制作現場』では、カッコ悪すぎる過去の失敗を晒しつつも、そこから何を学び、何を現在に生かしているのかについて、僭越ながらご紹介させていただきました。
そして今回も、性懲りもなく失敗ネタがございます……。「どんだけ失敗してんだオマエ・・・」との声が聞こえてきそうですが、イトキンは失敗して伸びる(と信じて疑わない)タイプ。その後の成長物語にこうご期待ください!
閑話休題。
お客様からお金を頂いている仕事だからとて、ただの御用聞きでは本当のプロとは言えません。イトキンも経験が浅い時代は、残念ながら自信のなさから御用聞きになってしまっていました。ハイ。
ということで、今回は、いかに本質を見失うことなく、プロの映像ディレクターとして、しっかりとお客様を導くことの重要性についてお話しできればと思っています。
イトキン「延々にまとめられない」編集地獄を味わう
AD時代の話です。先輩に連れられて向かったのは、顎関節症治療を得意とする歯科医院様。「顎関節症治療」は、歯科領域のなかでも特に専門性が高いことで知られていますが、それに加えて先生特有の語り口によって、その難解性をより強力なものにしていました。
終始治療のメカニズムに関する専門用語がマシンガンのごとく連発され続け、イトキンは大混乱。先輩がディレクションをする脇で記録映像を撮っていたのですが、恥ずかしながらお話の内容がさっぱり理解できませんでした。。
後日イトキンは、撮影素材の編集をやるように先輩から指示を受けます。3分にまとめろとの事。N●Kスペシャルばりの人体解剖図が飛び交う構成になるのでは……と戦々恐々です。
そして、早速編集に取りかかってはみましたが、幾ら時間をかけても編集が終わりません。そしてついに、試写を待つ先輩から、「いつまでやってんだぁ!」という怒号が……。
誰のための「編集」なのか?答えは「エンドユーザー」目線にあり!
「先生が語る治療技術の詳細が理解できない」「そもそも3分に収まらない」と、泣く泣く先輩に訴えるイトキン。S先輩が「しょうがねえなあ」という顔で、インタビューを書き起こした紙に次々と赤をいれていきます。
編集に使えるところがピックアップされた紙を見て、イトキンはア然とします。
お客様があれだけ熱弁されていたマニアックな治療技術の説明箇所がバシバシ切られていたのです。
結局○で囲まれていたのは、「どんなお悩みを持った方が来院されるのか」「治療前と治療後の変化はどの程度なのか」「他の患者様からどのような声を頂いているのか」といった想定外の箇所。
イトキンが必死に図解して、理解しようとしていた治療のメカニズムは、一部残っていたものの、ピックアップされていたのは僅かばかり。
最初は、なぜお客様が熱心に語っていたシーンを大幅に削除するのか、わけが分かりませんでしたが、次の先輩の言葉でハッとさせられます。
「動画を閲覧する患者様が関心を示すのは、治療のメカニズムではなく、その治療を受けたら『自分がどう変わるか』でしょ。」
後日、編集済みの動画をご提出しましたが、まったく怒られる事もなく、逆に「よく分かりやすくまとめてくれたね」とお褒め頂きました。
これは特殊なケースだったのかもしれませんが、視聴者(ここでは患者様)の視点の重要性を改めてイトキンは学んだのでした。
成果に繋げる事を意識してこそのディレクション!
お客様と動画で訴求する項目について考える際は「患者様の心理」を意識しています。
素晴らしい技術をお持ちの先生ほど、ドクター視点でのトークが展開されがちです。きちんとゴールを共有したうえで、「患者様にはこう言った方が伝わりますよ」「ここをもっと強調(深掘り)すると患者様に響くと思いますよ」とお伝えしています。
ただ映像として記録するだけであればお金を払って頂く価値はありません。
私達の仕事はお客様に利益をもたらすこと。
動画の企画・撮影・編集というポジション(役割=仕事)において、どうプロモーションをすれば患者様が来院して(購入して)くれるのか。プロとしての基準を高め続けるためにイトキンは今日も精進です。
幸い当社フリーセルは、映像制作会社ではなくWebコンサルティングサービスを提供する会社です。広告やマーケティング、コンテンツ戦略、薬事法といった知識を持ったコンサルタントやライター、デザイナー、SEOアナリストなど、スペシャリストがたくさんいますので、彼らにも意見をもらいながら、お客様に本当の意味で満足していただける動画を日々生み出していきたいと思います。
【編集担当:伊藤ちはる】