2010年、フリーセル創業10年目という節目、お客様に感謝の気持ちと原点回帰の想い ~大河ドラマ『龍馬伝』を見て感じたことなど~

投稿者:小川 悟

2010/01/04 16:24

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将来に希望を見出せなかった時代に、龍馬のような挫折して学問も身分もなく、いつも貧乏していた人物が偉業を成し遂げた――人に勇気を与えますよね。どの方向にでも思い切ってチャレンジしていく行動力、生きる意欲というのは、見習っていくべきですね。(津本陽)

/『一個人 別冊 歴史人 坂本龍馬の真実』(KKベストセラーズ)

新年あけましておめでとうございます!

当社は本日4日から仕事始めとなっております。今年もどうぞ宜しくお願い致します。

今回のコラムは、年始一本目ということで少し仕事から離れた内容となりますが、ご了承下さい。

 

皆様、 年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか。私は、実家に戻ったりしながらも、今年はゆっくりと自宅で年を越しました。昨日3日からは、以前、『坂の上の雲』に触れたコラムでも話題にしていた龍馬伝が始まりましたので、20時にはしっかりと帰宅し、テレビの前で放映を待っていました(笑)。皆様ご覧になられた方はいらっしゃいますでしょうか。

この『龍馬伝』、「今回、タイトルに入れた伝というのは、あくまで彌太郎が語る伝」(/「マンスリーみつびし 2009年12月号」)と言うのは本ドラマの脚本を担当された福田靖氏ですが、そこで言われている岩崎弥太郎は現三菱グループの創始者です。

cf.岩崎彌太郎年表 – 岩崎彌太郎物語(三菱グループ)

http://www.mitsubishi.com/j/history/series/yataro/index.html

その岩崎弥太郎を演じるのが、『坂の上の雲』で正岡子規を演じた香川照之さんでした。かたや病に臥しがちで30代半ばで夭逝された俳人・正岡子規、かたや日本の海運業を切り拓き三菱財閥の礎をつくった岩崎弥太郎と、ほぼ時代や場所を同じくして人柄も立場も全く違う二人を好演しているのはすごいと思いました。次回以降も楽しみです。

坂本龍馬と聞くと、司馬遼太郎の小説『竜馬がゆく』を連想する人が多いと思います。「世に生を得るは事を成すにあり」という”竜馬”の名文句が、本文中に度々登場します。33歳という若さで志半ばして刺客の手に倒れた坂本龍馬ですが、その短い生涯の中で維新という大きな事を成し遂げました。

 

まずは坂本龍馬が残した偉業の中でも、日本発の総合商社、また株式会社とも言われる「海援隊(亀山社中)」の設立に着眼してみたいと思います。「海援隊」と聞くと、武田鉄也さんの在籍されたフォークグループを連想します(『龍馬伝』では、勝海舟役で登場されますね)。

また、もう一人、私たちの業界だと、連想するのは孫正義氏ですね。

cf.ソフトバンク孫氏、Twitterユーザーに(ケータイ Watch,2009年12月25日)

http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20091225_339710.html

上記、鳩山首相に先駆けてTwitterアカウントを開設された孫氏。早速、ご自身のTwitterアカウント上で以下のようにつぶやかれていました。

来年の大河ドラマは、坂本龍馬。私が最も尊敬する偉人です。日本の夜明けのために命をかけた。立派なことだと思います。 事業を通じて少しでも龍馬さんの心境に近づけたらいいなあと思います。(2009年12月25日)

ソフトバンクが2006年にロゴを刷新した際にモチーフとしたのが、前出の、坂本龍馬の設立した「海援隊」の隊旗だそうですね。

cf.ソフトバンク、新ブランドロゴ発表(ITmedia +D,2006年8月16日)

http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0608/16/news025.html

 

少しここで話を脱線させますが、実は私10年来のドコモユーザーですが、年末年始に向けてついにiPhoneを購入しまして、その関係でiPhoneの話題に触れてみたいと思います。以前コラムに書いた、「楽天Webディレクション&デザイン2009」に行ったときに既に購入フラグは立っていたのかもしれませんが(笑)、同僚からの強い勧めもあって購入しました。

こういう業界にいて、他の同僚と比べると最新デジタル機器に疎い方である私がなぜ購入するまでに至ったのか?ポイントは3つありました。仕事と大きく関係がある話題ではなく、個人的な趣味の話となりますが。

1. クラウド(コンピューティング)への理解のための入門機としてのスマートフォン体験

まず手始めに、デフォルトでインストールされているカレンダーアプリと、Googleカレンダーとの同期を図ってみました。これは大変便利です。Googleをはじめとした各社提供のWebサービスに対し、iPhone本体がクライアント機(あたかも子機、リモコン)のような位置づけで操作・管理しているような気になれました。この辺はこれからもっと活用の幅が広がってくるのかと考えています。

2. UI (User Interface) 、UX(User Experience)、インタラクションデザイン等の理解のための体験

簡単に言えば、あの独特なインターフェースを、実際に自分のような最新機器に疎い者が使うとどうなるか?ということを試しました。まず手始めに、それまではPCかモバイルからしかアクセスしたことのなかったTwitterに専用アプリでアクセス。同僚が利用しているのを傍目で見ていたときには感じ得なかった「体験」が得られました。

そして何よりも一番驚いたのが、日本語入力の際に便利な「フリック」入力機能です。ポケベルが登場した頃に、独特な文字入力方法に感激したときの驚きを超えました。このフリック入力、どのようなものかをご説明するのに、百聞は一見にしかず、以下の動画を是非ご覧下さい。なかなかこんな早くは入力できません(汗)。

http://www.youtube.com/watch?v=kVy1p0v0Pow

この辺の内容は、以下に詳しく掲載されていました。

cf.DESIGN IT! : 徹底した直接操作

http://www.designit.jp/archives/2008/09/vol1_iphone_2.html

3. メディア(特に、広告媒体として)の可能性について消費者としての体験

iPhone用アプリに既存の媒体(産経新聞等)や私企業が参入するケースや、実際に広告配信を行うケース、また、「クックパッド」のようなWeb2.0型のサービスや、「食べログ」のようにさらにGPSと連動したサービスが携帯端末に入ったときに初めて得られるユーザー利便性がもたらす経済効果など、通常の携帯電話では考えられなかったような可能性があるように感じました。

上記の3つの体験を、実際に肌で感じてみたかったということが挙げられます。

 

話しを戻します。思い返せば、96年にヤフー株式会社が設立、数ヵ月後に「Yahoo! JAPAN」が開設され――、私はまだ学生で、当時丸の内にあった某広告代理店で派遣スタッフとして働いていたことがありました。当時は「インターネット」という構造さえもよく把握していないのに、先輩スタッフに教えられるがままにパソコンを使用していたものでした。まさに、例えばリクルート運営の「ISIZE(イサイズ)」がまだ「Mix Juice」という名称だった時代ですが――、やがてサイト内のコンテンツ拡充が進み、後に「ポータルサイト」と一般的に称されるようになりました。

この「ポータルサイト」、「港」という意味を有しており、インターネットに繋いだ際の入口ページとされることを目的としたサイトモデルとして使われているインターネット用語です。坂本龍馬も商取引をする上で港に着目し、海援隊を結成しました。こじつけかもしれませんが、『龍馬伝』第1回目で下士としての生い立ちが描かれた坂本龍馬、地下浪人の家庭に育った岩崎弥太郎、そして少年時代は貧しかったという孫正義氏と、皆、苦しいスタートから始まって最終的に立身された方たちなのだなと感じました。

私も是非あやかって、といきたいところですが、現時点ではどれもあまりにもスケールが大きい話過ぎて、正直ピンときてはいません(汗)。ですが、新年、新たな気持ちでスタートを切りたいという、やる気に満ち溢れた気持ちになれました。

 

今度の大河ドラマは、個人的には是非、渋沢栄一のドラマを見てみたいと思っています。

岩崎弥太郎率いる郵便汽船三菱会社の海運独占を嫌い、アンチ三菱連合として三井と組んで共同運輸を設立、後、熾烈な値下げ競争となって最終的には合併して日本郵船となり、後世「日本資本主義の父」と呼ばれた渋沢栄一のドラマです。大学の卒業論文では、文学部在籍ながらも縁あって?渋沢栄一に言及することになって少し本を読んだことがある程度ですが、自分の興味の対象にすっぽりと収まっています。

当時、輸送といえば、海上しかなく、その海運は三菱の手による他はない。三菱の船にのせると、保険も三菱でかけるように要求され、倉庫もまた三菱のものを使わねばならない。(中略)商社である三井物産では、貨物の取引量が大きいだけに、三菱への支払いも、年七十万にもなる。(中略)三井でさえ、こうした状態だから、他の事業家たちの立場は、さらにあわれであった。まるで三菱をもうけさせるために商売をしているようなことにもなる。

/『雄気堂々(下)』(城山三郎著)

若かりし頃は不条理な世の中に不満を感じて尊皇攘夷思想に傾倒するものの、諸事情あって幕府側の家臣に説得され、徳川最後の将軍・慶喜の幕臣として大政奉還を迎え、新時代に突入していった後の渋沢栄一のドラマは、坂本龍馬や岩崎弥太郎のようにドラマティックでありながらも、二人とはまた別の切り口、視点で近代ビジネスを切り拓いていったという点で非常に興味深く感じます。

 

さて、『龍馬伝』の感想はここまでとして、話を身近なところに戻させて頂きます。

今年2010年、また新しい10年がスタートしますが、そんな折、当社も創業10年目を迎えました。 ここまで順風満帆!?に来れたのも、ひとえにお付き合い頂いているお客様のお陰だとつくづく感じます。今でこそ多くの関係者の方々にお世話になっていますが、創業して間もない頃は、私たちスタッフとお客様とのやり取りが仕事のほぼ全てでした。私は創業11ヶ月目の2002年7月に入社しましたが、当時はまだ全社員6名しかおらず、オフィスも渋谷区松涛にあるマンションの一室でした。その頃からお付き合い頂いている歯科医院の院長先生など今も多くいて下さって、本当に嬉しく思います。

現在では、各社様々なサービスが台頭してきたこうした法人向けインターネットサービスで、10年近くもの間、他社に乗り換えることなくお付き合い頂いているお客様がいらっしゃることがどれだけすごいことかと思えるか、個人的な感傷も多分にあるかと思いますが、創業10年目を迎えてますます切に感じました。

今一度、私たちの原点であった「CS(顧客満足)」に立ち返り、強く推進していきたいと考えております。まだまだ至らぬ点が多々あり、ご迷惑をお掛けすることもあるかと思いますが、今後とも何卒ご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。まずは年始のご挨拶として、結びと代えさせて頂きます。

今後とも、当Webコンサルタント.jpを宜しくお願い致します。