「わかる」と「できる」は違う ~フリーセル大学で「ビジネスマナー研修」を実施しました~

投稿者:小川 悟

2010/01/30 21:06

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しかし頭で考えて「わかる」というのと、実際に「できる」というのとでは、まるで別次元の話といってもよいくらいだ。(中略)「知識は実行した時に初めて力となる」と、建国時代のアメリカ人の士気を鼓舞したベンジャミン・フランクリンがいった。まさに、しかりであろう。(中略)要は徹底して繰り返し、習慣の力で知識を実行レベルに高めていくことなのだ。

/『通勤大学人物講座1 中村天風に学ぶ』(松本幸夫著)

今月18日、当社の管理本部(総務、経理部門等)が入っていた分室が、本社の入るビルに移転しました。

cf.本社分室事務所移転のご案内 | ニュースリリース

http://www.freesale.co.jp/news/release/new20.html

これにより、今後業務効率化が図れるといったことはもちろん、より密な連携が図れるようになるので非常に嬉しく思っております。増床ということになるかと思うのですが、内装工事が終わったばかりで、まだ全スペースが座席で埋まっていないオフィス空間を見た際、思わず4年前くらいに本社が移転したときのことを思い出しました。

今回の増床のタイミングで、大きめの会議室も新設されたのですが、従来の会議室と比べるとかなり広くとられ、おそらく定員は60名くらいあると思いますので、今後、リスティング広告の部門などを中心に社外に向けた当社主催セミナーなども活発に行われてゆくのではないかと想像しています。

 

さて、同じ週の23日には、早速この会議室を借りて、社内向けのセミナーを実施致しました。内容としては、以前に「フリーセル大学」課外授業と致しまして、社外講師の方をお招きしておこなった「ビジネスマナー研修」の補習の位置付けとでもなりましょうか。12月実施時に参加できなかった人も多くいたので、今回はCS部門・管理部門を中心に50名程が参加したものとなりました。

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cf.前回のビジネスマナー研修については以下をご参照下さい。

ビジネスマナー研修に参加して、仕事における「守破離」を考えた ~仕事ができる人は基礎がしっかりできている~

http://www.web-consultants.jp/column/ogawa/2009/12/post-47.html

 

このフリーセル大学は、フリーセル大学実行委員会という社内の有志の管理職が集まった組織があって企画・実施が行われているのですが、私は講義が始まる前の前説に当たる部分を担当させて頂きました。

ここで皆に最も伝えたかったことが、「”わかる”と”できる”は違う」ということでした。「ビジネスマナー研修」を行うとなると、どうしても講義そのものは基礎的な内容になりがちです。ともすると退屈するのではないか、またはそのときだけは分かったつもりになって本質を理解しないまま、再現性のない一過性の知識となり、いざという本番で活かすことができないのではないか?といった懸念がありました。

ですので、まずは退屈しないように、朝一最初の講義内容は、「基本敬語能力判定試験」(以下、イメージ写真)を行いました。当社ライティング課に、元国語教師というキャリアを持つ者がいるので、彼に問題の作成と答え合わせ・解説を行ってもらいました。 

 

shiken_keigo.jpg

 

土曜の朝からテストです。部門を超えて50人が集まっているので、必然的に競争意識に火が付きます。部下の手前、低い点数は取れないと焦る上司もいたかもしれません。点数が周囲と比べて低かった人は「ちゃんと受講しなくては!」という気になってもらえたのではないではないかと思っています。

昼休憩を挟んで、そろそろ眠たくなってくる午後一の講義は「発声」からスタートしました。起立した状態で、口を縦横に大きく開きながら実際のビジネスシーンでよく使われる挨拶の言葉を発声してもらいました。その後、座学を交えながら最後には接客時のマナーということでロールプレイングを行い、他チームとのコミュニケーションを図りながら、名刺交換も含めて一連の会話を行ってもらいました。

  そうして朝10時から16時過ぎまで、半日研修を無事に終えることができました。実施後にアンケートを取ったところ、4段階評価の満足度で「大変満足」と「満足」と答えた人が9割以上いたので、まずは胸をなでおろしたといったところです。

 

よく言われていることであるかもしれませんが、このコラムをお読み頂いている皆さんでも、「わかる」と「できる」は違うと感じたご経験はないでしょうか?

「優先順位を考える」、「主体的に動く」、「ポジティブ・シンキング」、「ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)は重要」、「相手の立場に立って考える」、「変化に柔軟に対応する」といったようなことは極めて基本的、かつシンプルな考え方・行動習慣で、そのため『7つの習慣』をはじめとした成功哲学、その他大抵のビジネス書や自己啓発本に目を通しても、言葉や例を変えて焼き直しで語っているように感じられることもあります。

またそれは、企業の求める人物像などにも現れていると思います。優先されるコンピテンシーに多少の違いこそあれ、大体が共通しています。言い換えれば普遍的な物の考え方であるということです。しかし重要だ、意識して行動した方が良いと頭では分かっていても、実態が伴わないといったことは多々あるかと思います。

ここでご紹介したいものが、本田直之氏の『レバレッジ・シンキング 無限大の成果を生み出す4つの自己投資術』他、実に多くのビジネス書・自己啓発本で紹介されている有名な言葉です。

意識が変われば態度が変わる

態度が変われば行動が変わる

行動が変われば習慣が変わる

習慣が変われば人格が変わる

人格が変われば運命が変わる

要は「習慣化させる」ことが重要だということがよく言われています。そこから派生してか、マネジメントの部分では「繰り返し伝える」といったことがよく行われています。私たちも、そういったことは意識し続けながら、まずは習慣化の一環として、名刺サイズのカードを作りました。電話応対時の注意事項等をまとめたものですが、これをデスクの電話のそばなどに置いてもらったり、日々のチーム朝礼時に声に出して読み合わせしてもらったりといった活用イメージをしています。初めの一歩かもしれませんが、まずはこうしたことから取り組んで参りたいと思います。

 

最後になりますが、私たちWebコンサルティングを行う者として、お客様から対価を頂いて商売を行う以上は、より一層「できる」ことを増やしていかなくてはなりません。多くの経験を積んで企画提案力やクリエイティブスキルを磨き、今以上に問題解決の幅を拡げ、中小・ベンチャー企業向けWebコンサルティングという領域で必要とされている要素に気付き、手に入れ、提供できるようになっていかなくてはならないといった使命感を持っております。

私自身が「習慣化」や行動面で足りない部分も多々あると思っておりますが、自他に対する成長意欲の高い社内のスタッフ同士で刺激・牽制し合いながら、 スピードを上げていければと考えております。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。