顧客満足度調査を実施し、コンタクト・ポイントを整備する ~「歯科受付スタッフ”対応力アップ”実践セミナー」を終えて~

投稿者:小川 悟

2010/09/19 17:35

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小売店の顧客満足で、お客さまが我が社を離れる理由を調査した人がいる。これが非常に興味深い。
お客さまの店離れが起きた理由は、顧客の死亡や引越し、競合他社の品質や値段により強い魅力を感じた、などさまざまだが、なかでもダントツに多かったのが「従業員の態度が気にくわないのでやめた」という理由だったのである。
/『社長が押さえておきべき30の基礎科目 経営の教科書』(新将命著)

先週の12日(日)は、2本立てでセミナーを行い無事終了致しましたので、こちらでご報告させて頂くとともに、参加頂いた方の多くがお休みの中、わざわざセミナー会場であった当社まで足をお運び頂いたことにお礼を申し上げたく思います。

 

■当社プレスリリース

【歯科医師限定セミナー第2弾】吉野真由美氏を招き、「自費率が2倍になるプレゼン話法」「自費患者集患のためのWebセミナー」を同時開催(2010年08月19日) 

【歯科受付スタッフ限定】患者と歯科医院の信頼関係を深めるための「歯科受付スタッフ”対応力アップ”実践セミナー(無料)」を開催します(2010年08月23日)

 

私はどちらのセミナーもお手伝いを兼ねてご一緒させて頂いていたのですが、今回のコラムでは特に後者を中心に関連したことを書いていきたいと思います。と言いますのも、今回講師を務めさせて頂いたのが、私の見る部門の中でコンタクトセンターを管理するCS課長であり、セミナー終了後のアンケートでも「大変参考になった」といったご意見を多く頂いたこともあって、このセミナーの意義のようなものをお伝えさせて頂きたいと思い至った次第です。

 

 「歯科受付スタッフ”対応力アップ”実践セミナー」は、セミナータイトルにもあるように、歯科医院の受付スタッフの方を対象としたセミナーで、ビジネスマナーの基本的な内容を中心にお話させて頂きました。このコラムをご覧頂いている皆様の中にも、歯科医院に電話した際、実際に行った際に、受付の方の対応に満足した方もいれば、不満を感じたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

当社は歯科医院の検索・予約のためのポータルサイト歯科タウンを創業期から運営している関係で、歯科医院に対するWebサイト制作などを手がけるのはもう10年目になります。Webを通じた集患や求人のお手伝いはもちろんのこと、自費診療を希望する患者様とのWebサイトでのマッチング率の向上など、歯科医院だけで2000サイト以上を制作して参りました。そこに至るまでには、営業担当やCS部門のディレクターやクリエイターなどのスタッフを通して、歯科医院側や多くの関係者の方、また一般ユーザー向けのプレゼントキャンペーン時のアンケート等から貴重な意見も多く得ることができました。その中のニーズの一つが「受付スタッフの対応力向上」でありました。

Webサイトや口コミ、紹介を通じてせっかく患者様から連絡があったり来院されても、受付の対応が悪くて、実際に来院しなかったり、自費診療に不安を感じて他の歯科医院に行ってしまわれては意味がありません。

 

このように、Webサイトや受付スタッフのように、企業側の有するブランドが「お客様(患者様)」と接点を持つ部分を、「コンタクト・ポイント」と言います(他に、企業によっては「タッチ・ポイント」、「EXポイント」などと呼んだりされています)。

 この「コンタクト・ポイント」がお客様に与える影響(または、「顧客経験価値(カスタマー・エクスペリエンス)」)の重要性にいち早く気付き、改善を繰り返すことによって企業ブランドが形成され、他社との差別化になると一般的に言われています。

 

cf.『ブランド価値を高める コンタクト・ポイント戦略』/スコット M. デイビス, マイケル・ダン著

 

事実、ブランド・ロイヤルティ形成のために、ステークホルダーに対して企業価値の向上に対する取り組みを恒常的におこなってゆく必要性の高い大手企業の多くでは、かなり以前から「コンタクト・ポイント」の整備にはこだわり続けてきていたと思いますし、行政では「窓口サービス満足度調査」の類をおこなっています。飲食チェーンや、スーパー、コンビニなどでは、本社の覆面調査員が定期的に回ったり、外部に委託して「来店客調査」を行っているところもあります。

 

今回のセミナーでは、歯科医院にとってもっとも重要な「コンタクト・ポイント」の一つである「受付スタッフ」の方々に、実際に座学と演習を交えたセミナーに参加して頂くことで、普段の仕事にお役立て頂くことを目的としていました。

現在当社では、歯科医院向けに「患者満足度調査」のサービスも提供できるようになっておりますので、是非ご利用頂き、恒常的な改善に繋げていって頂きたいと考えております。

 

さて、以上のように「コンタクト・ポイント」の重要性を、簡単にですが述べさせて頂きました。ところが、当社のお客様層である中小・ベンチャー企業の中には、なかなかこういったところまでは時間や予算的にも回らないというところは多いようで、歯科医院においても医療法人や個人経営を問わず、そういった医院は多いようです。

 

実は私自身も、お客様にサービス提供を行う部門であるのと同時に、発注側に回ることもよくあります。現在お付き合いさせて頂いている複数の協力会社様も、数年に渡りお付き合いを継続させて頂いております。どこも会社の規模で言えば大小様々ですが、共通して言えるのは「担当者」というコンタクト・ポイントに信頼感を持っているということでしょう。今までにお取引がなくなってしまった協力会社様もありますが、当社事情で解消になったものを除くと、私やCS本部の発注責任者が相手方担当者とうまくいかずに取引が解消になった事例がほとんどです。

 

当社でもそういった「発注側」の観点(お客様の立場)からの気付きから危機感を持ち、以前から不定期におこなってきた顧客満足度調査(CS調査)を、今期からは定期的に実施するように方針決定致しました。

※協力会社様との間、各生産工程間の品質管理フィードバックは数年前からおこなっています。

 

■顧客満足度アンケート実施レポート(当社公式サイト)

http://www.freesale.co.jp/service/customer.html

 

cf.Webサイトが完成した直後のお客様にアンケートをとる!?|Webコンサルタントjpコンサルタントコラム(吉田 亮)

http://www.web-consultants.jp/column/yoshida/2010/05/web-1.html

 

当社では、一お客様(一企業)に対して複数の部門が関わります。お客様の現状課題を吸い上げ、競合調査をおこない、その解決のための企画提案を行う営業部門に始まり、Webサイト納品時まで設計やスケジュール管理全般をおこなうWebディレクター、他に実際に顔を合わせるケースは少ないものの、Webサイトのコンテンツを制作するWebライターやWebクリエイターといったように納品までの工程の中だけでも、サービスや成果物に対するお客様の評価が決定するポイントが幾つか存在します。

 

「Webサイトの納品」という、業務の極一部ではありますが、当社サービスの肝となる部分でもあるため、工程別に細分化してご意見が受けられ、かつ分析可能なように、設問に工夫をしてあります。この顧客満足度調査の結果は、毎月当社の役職者が集まる会議で共有されるため、各工程の担当者にとっては、悪い言い方をすれば手を抜けないということになるのかもしれませんが、逆に言えばお客様からの絶対評価を得られ、それを上席者にアピールするチャンスの場にもなり得るため、サービスや成果物の品質維持・向上を図るための策でもあると考えています。

 

  当社が手掛けるWebサイトの内、ある程度予算に応じて規格化された規模感のものと、発注者(お客様)の希望要件を満たしてゆく請負型の仕様のものとがありますが、前者においても規格化されるものはページ数や設計、大枠のスキーム部であって、実際の内容はお客様によってまちまちとなります。また、お客様によっては新規に販売をスタートさせたばかりの商品やサービスを扱うWebサイトを求められるケースもあり、共に設計・構築してゆく醍醐味がある一方で、しっかりとした業界知識や企業理解などのマクロ的な視点が求められるため、小規模のWebサイトであっても構築までにそれなりの時間がかかったりします。

 

大体2~3ヶ月間ですが、Webサイトは定型の形がある物ではなく、またすべて人と人とが創り出すものであるため、ときには小さなトラブルも発生します。特に制作工程に関わる属性のスタッフは、ともすると技術やアイデア出しに注力するあまり、お客様との基本的なコミュニケーションを欠いてしまうきらいがあるため、その間、個々のコミュニケーション・チャネルを全体的に管理してゆくための一つの手段としても機能させ、この制度によってそうした側面でも品質が向上してゆくことを目指しています。

 

コンタクト・ポイントという観点で見ると、先述した「受付スタッフ」、「社内担当者」などの従業員はもちろんそうですが、Webサイトもそれに該当します。

様々な環境下から訪れるユーザーに対する、ホスピタリティ溢れる設計、文章・デザイン表現などを今後も心掛けていきたいと思うのと同時に、成約に大きく絡んでくる部分であるとも思われるため、当社お客様の中でまだコンタクト・ポイントの整備に注力されていらっしゃらない企業様がいらっしゃった際には、整備をお勧めしていきたいと思っております。

 

それでは、今後とも当社提供サービスをどうぞ宜しくお願い致します。