「歯科専門Webコンサルティング」開設にあたり ~「いい歯の日」、「明眸皓歯」や「唇歯輔車」など歯に関する言葉について調べてみました~

投稿者:小川 悟

2010/11/13 18:54

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成果をあげるには、人の強みを生かさなければならない。弱みからは何も生まれない。結果を生むには、利用できるかぎりの強み、すなわち同僚の強み、上司の強み、自らの強みを総動員しなければならない。

/『ドラッカー名著集1 経営者の条件』(P.F. ドラッカー著)

先日11月8日は、日本歯科医師会が制定している記念日「いい歯の日」でした。また、併せて同主催のベストスマイル・オブ・ザ・イヤー2010の受賞者も決定したようです。

特段それに絡めたわけではないのですが、当社も今月1日に、歯科医院様へ向けた、当社Webコンサルティングの紹介をおこなう専門サイト、歯科専門Webコンサルティングを開設しましたので、この場を借りて告知させて頂きたいと思います。

 

cf.「歯科医院に特化したWebコンサルティングサービス紹介サイトを開設」(当社公式サイトニュースリリース,2010年11月10日)

http://www.freesale.co.jp/news/release/shikaweb.html

 

当サイトの特徴や、制作秘話のようなものは、CS本部制作部長の紀井が書いているので(cf.「歯科医院のWebコンサルティングに特化したご提案」)、私はこの専門サイトの開設を機に、今後、歯科界とどのように関わりを深めていきたいと考えているか、歯科医院にとっての“身近な言葉”を用いて、多少言葉遊びも交えてお話していこうと思います。

 

 

先の日本歯科医師会が提唱しているものに、「8020運動」と呼ばれるものがあります。これは満80歳で20本以上の天然歯を残すことを推進する運動です。通常、成人の永久歯の本数は32本(親しらず含む)なので、個人差はあっても、予防や治療をしっかりとおこなっていれば可能な本数であると思われます。この「8020運動」を推進してゆくための団体が、財団法人8020推進財団です。この、財団法人8020推進財団の公式サイトに、面白いコンテンツがあります。

 

■歯にまつわる格言・ことわざ

http://www.8020zaidan.or.jp/knowlegde/proverb.html

 

 

ここにある言葉の内、幾つかピックアップしてみることにします。まず、一つ目の言葉として「明眸皓歯(めいぼうこうし)」

馴染みの薄い方にとっては咄嗟に意味が分かりにくい言葉ですよね。字を紐解くと、「明るい眸(ひとみ)皓(しろい)歯」というようになります。字面だけで言えば美しい人を例えたものですが、語源は一般的には、中国の文学史上最高の詩人、「詩聖」と謳われた杜甫が使った言葉とされています。古代中国四大美人、世界三大美女の一人と呼ばれた唐代きっての絶世の美女、楊貴妃が非業の死を遂げたことを悼んで詠んだとされる『哀江頭』という長詩の中に、楊貴妃を指した「明眸皓歯今何在」という一節があります。そういう言われを聞くと、途端にあやかりたくなってしまうのは私だけでしょうか(笑)。

 

さらにこの言葉の起源をさかのぼってみると、他にも説があることが分かります。杜甫が詩を詠んだ時代からさかのぼること約500年。三国時代の中国(魏)にて曹操が曹丕を跡継ぎにした頃、袁紹の次男である袁熙の妻の甄氏(しんし)を奪って自分の妻にしますが、末弟の曹植も密かに好きになってしまいます。ところが甄氏は亡くなり、その死を哀しんだ曹植が『洛神の賦』という賦を作って作中の女神のモデルにしたという学説があるそうですが、その中で「明眸」と「皓歯」という単語が分けて使用されているそうです。

 

cf.『四字熟語で愉しむ中国史』(塚本青史著)を参考。

 

その昔、「芸能人は歯が命」というコピーが流行したことがありました。今からもう15年も前のことです。

 

cf.アパガードの誕生秘話とその変遷 芸能人は歯が命:TVCMで「美白歯みがき」の市場誕生(株式会社サンギ)

http://www.apagard.com/contents/history/cpn_050801_01.html

 

このコピーは、私の就職活動期にも流行が続いており、3年くらい前に同僚と訪れた、宣伝会議主催の「コピージアム」で見かけ、懐かしく感じたことを覚えています。

 

cf.広告コピー展「コピージアム」会場レポート(宣伝会議)

http://www.sendenkaigi.com/headline/post_14.html

 

確かに芸能人など、見た目も商売道具である職業の方はもちろんのこと、CMに出演されていた東幹久氏を抜いて、日本歯科医師会がおこなったアンケート「歯がキレイだと思う有名人」では新庄剛志氏が1位を取るなどスポーツの世界でも、つまり見た目の審美性やステイタスの一環というだけでなく、機能美としても歯が大切な役割を果たしていることが世の中に強くアピールされ始めた頃の話でした。

 

「明眸皓歯」――、この言葉にはそんな深い意味があったのですね。

私も数年前まで頻繁に歯科医院様にお伺いする仕事をしておりましたが、歯科医院によってはこの言葉を額に入れて待合室や診療室、院長室などに飾られている先生もいらっしゃって、意味をろくに把握していなかったときには取材時に珍しがってよく写真を撮っていたことを思い出しますが、「明るい瞳に、白い歯」と現代風に書き直してみると、心身ともに健全な像が浮かんできます。そういう容貌を目指したいものです。

 

 

さて、余談が長くなりましたが、2つ目の言葉に「唇歯輔車(しんしほしゃ)」というものがあります。

こちらもあまり聞き慣れない印象がありますが、文字通り「唇と歯、車の両輪と輔(じく)」の関係を指した言葉で、そこから転じて「輔」は頬骨、「車」は歯ぐきを言うことがあるそうです。つまり、どちらか一方がダメになると両方ダメになってしまう相互関係のことを指して言う言葉だそうです。

 

この言葉も、先の『四字熟語で愉しむ中国史』(塚本青史著)に説明があります。隣り合わせにある国を他国が攻め入ろうとした際に、優秀な臣下から「隣国とは唇と歯の関係だ、車の両輪と輔の関係だ」と忠告されるものの、そのまま他国軍を通過させてしまったことで、結局その国も後々他国に攻め入れられて滅んでしまったという逸話です。 

このように相互関係をうまく保っていることで、相互補完し合って全体最適に繋がることは他のケースでも当てはまることは多いかと思います。

 

ところで、この「唇歯輔車」を、昨今の時事ネタでも使ってみたいと思います。

今日13日から横浜でAPEC首脳会議が開かれますが、渋谷周辺もデモを警戒してか警備が物々しい感じでした。尖閣問題の映像流出の是非は差し置いても、タイミング的に言えば国民感情を煽った格好となり、デモの参加者も増えたのではないかと想像します。他の領土問題や普天間基地移設問題などを含めると、対中だけでなく、対ロ、対米においても難しい課題に直面している日本は、まさに内憂外患だと感じてやみません。 尖閣問題について他意なく言えば、過去の歴史上、西太后の時代にアロー号事件のように戦争の火種となったケースもあります。事実確認と認識のための話し合いは重要なのではないかと感じました。

折しも、NHKでは現在「蒼穹の昴」(原作:浅田次郎氏)という西太后をモデルとしたドラマが放映されています。西太后と言えば、単純に生まれた年代で切ってみると、坂本龍馬、岩崎弥太郎、篤姫といった昨今人気の大河ドラマの主人公たちとほぼ同年代生まれの人物ですね。このようなドラマが今の時期に放映されることで、アジア周辺諸国はもちろんのこと、欧米諸国も含めて今後日本が諸外国とどのような外交を行い関係修復・構築をしてゆくのかといったことをも連想しました。日本国内だけでも意見が分かれるのだから、全世界中で利害の一致を求めるのは難しいことであり、一概に唇歯輔車の関係にと言っても、そう簡単にはいかないのだろうなと感じました。

 

さて、一転当社に視点を戻させて頂きますと、今年は創業時のビジネスであった歯科医院検索・予約のポータルサイト「歯科タウンを開設して丸9年。その間に手掛けてきた2,000サイト以上のWebサイト制作実績・ノウハウを元に、セミナー開催なども始めて歯科医院様とは良好な関係が築けてきたのではないかと感じています。

患者様を増やして売上を上げたい先生、SEOやリスティング広告などに明るく、運用の良きビジネスパートナーを探している先生、医療技術の習得・向上に注力して集患に手が回らない先生、優秀な歯科衛生士さんや受付スタッフの方を求人募集したいとお考えの先生など、今まで実に多くの、いろいろなお考えを持った先生とお会いさせて頂きましたが、冒頭でご紹介した歯科専門Webコンサルティングは、そういった多様性の本質を理解しつつ、同時に第三者的なWebマーケッターやWebコンサルタントの視点と患者様の目線とで、歯科医院の「困った」「欲しい(したい)」を解決してゆくための媒体としてオープンしました。

コンテンツには、歯科医院様にご理解頂きやすいよう、先に述べたような当社の強みをまとめています。Webコンサルティングを提供する際にお客様企業の強みにスポットを当てるのと同様、当社でも専門スタッフや組織体制、各種フレームワークやツール、Webコンサルティング成功事例、セミナー情報等、強みを明確に打ち出すようにしています。このサイトを通じて、少しでも多くの歯科医院様の経営課題クリアのためのお手伝いをしていきたいと思います。引き続き宜しくお願い致します。