フリーセルの事業組織に関して 2回目 市場の変遷 後編
投稿者:木村 裕紀
2007/11/22 18:26
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こんにちは
市場の変遷後編として前回の続きを記載していきたいと思います。
前編でお話したように各種胴元の覇権を争う時代がしばらく続き、2005年くらいまで進化を続けながらその覇権争いが続いた時代に思えます。
その間ネットで少しづつWEBサイトを構築しいかに結果を出していくかが問われるようになってきて、ネット関連企業が増え続け、多種多様のネット広告が築かれていったと思います。
ただし結果を出してビジネスに落とし込みができたのはごくごく少数派の時代 。
なぜなら
・まだまだネット人口がすくなかった。
・結果を出す因果関係がみえずらかった。
・結果を出せる媒体が少なかった。
・中小企業からすると費用対効果の高いネット投資が少なかった。
・業種・用途別のポータルサイトが乱立し無計画な獲得競争がおきた
・業種によっては最近まであまりネットに投資する業界慣習がなかった
・消費者需要形成がされていないマーケットに広告出稿していた
などなど
そういう中でECサイト以外でWEBからの集客の恩恵を受けることができたメインの商用サイトは、YAHOOカテゴリに登録されることが出来た一部のサイトが中心でした。
ただ、審査が厳しく、無料で申請できた頃は私の記憶では20サイトに1つ掲載されれば良いほうだった記憶があります。
厳しい独自の審査を経て申請受理されたサイトのみが圧倒的なトラフィックを得るような時代でSEOとかいう概念もほとんどありませんでした。
1ヶ月100件程度のアクセスしかないようなサイトが多数あり、WEBはビジネスに繋がらないというイメージを強くお持ちされる経営者が多いのもこの頃に醸成された感じがします。。
そういった背景の中、
メディアレップの確立によるメール配信広告、バナー広告、中小ポータルサイト掲載広告、などあらゆるネットメディアの確立、CGIアクセスカウンターからアクセス解析へ変わり、アフィリエイト広告、大手オンラインモール掲載などアクセスを増やし、計測するサービスが増えていきました。
その流れでYAHOOも2001年の春先くらいにビジネスエクスプレスという有料化されたカテゴリサービスが始まり、優良かつ信頼性の高いサイトが掲載され数が着々と増加していきました。
そのことが日本のネットユーザーの数を着々と増やしていき、知りたいことがあればインターネットで検索して、YAHOOのカテゴリにある情報を見るみたいな文化が定着して日本のネットユーザの育成をし続けていたように感じます。
2005年春先くらいにはYAHOOからGoogleの検索エンジンが外され、YSTという今のSEO、検索連動型広告の走りになる
ロボット検索が独自に採用され、同年10月の表示結果がカテゴリ優先からYST優先に変更されることは日本のWEB市場の大きな転換になった出来事だと感じます。
そのことによりYAHOO、Google、MSNに対してのSEO(検索エンジン最適化・上位表示)、ブログの流行からCMS(コンテンツマネジメントシステム)などによるビジネスブログ、 LPO(ランディングページ最適化)対策、ユーザ導線の改善、 ロングテールの広がりと共にネットからビジネス上の恩恵をうける企業がどんどん増えていき、どんどんリアルな結果をだしていく方向に多様化するサービスが向かっていき、進化を続けている現在に至っていると思います。
かなり要約して記載していますが
1、インフラの構築・整備が続き
2、WEBサイトの増加とともにユーザ育成・広告・ポータルサイトの育成が進み
3、結果を出すためのサービスが増加し競争により磨かれてゆき
4、YAHOOの転換により大きな市場転換が起きた
5、ユーザの増加と共にロングテールといわれる多種多様の価値観、市場が生まれる環境になってきた
6、そこに対して価値提供するネット企業の数も増えてきた
その結果として4大メディアのラジオ広告を2004年にネット広告が追い越し、2006年の広告費では雑誌広告が3887億円に対してネット広告が3630億円となり大手クライアントだけでなく中小企業のWEB広告使用企業が非常に増加してきたということが日本の広告市場に対してのWEBの位置づけが大きく転換したことを現していると感じます。
その市場の変化に応じて
・従来の広告以上に明確な効果検証ができる(CPAなど1件あたりの獲得コストにまで落とせる)
・従来広告のインプレッション(表示回数)⇒クリック数、ユーザアクション(コンバージョン数)
という広告自体の提供価値、概念が変容してきたのが近年だと思います。
よってようやく業種業態を問わずWEBでビジネスに落とし込むための因果関係が充実すると共に、多種多様のサービスが増えてきてWEB戦略の成否は経営の重要課題のひとつになる時代が入り口まで訪れてきたと考えております。
長くなりましたが私なりにこの業界の変容を振り返り、そういった市場背景の中で、どのようなビジョンを持ってフリーセルの事業組織を構築してきて、今後どこを目指していくのかを次回お伝えしたいと考えております。
毎度の長文ですがお付き合いいただきありがとうございました。
平成19年11月22日 木村 裕紀