『今、いる場所で、今、自分が持っている力で、今、自分にできることをしろ』ルーズベルト
投稿者:吉田 亮
2008/07/31 21:02
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『今、いる場所で、今、自分が持っている力で、今、自分にできることをしろ』
第26代アメリカ合衆国大統領、セオドア・ルーズベルトの言葉です(第32代大統領のフランクリン・ルーズベルトは彼の従弟にあたります)。経営学的には非常に興味深い発言だと思います。
日露戦争で日本とロシアの調停に入り、その和平交渉を高く評価され、1906年、ノーベル平和賞を受賞している親日派です。ちなみに柔道の茶帯を持っています(アメリカ人初)。強いです。
余談ですが、「テディ・ベア」をご存じでしょうか。
セオドア・ルーズベルトが熊狩りに出かけたとき、気を遣った同行者がルーズベルトに仕留めてもらおうと、瀕死の熊を差し出したところ、「スポーツマンシップに反する」と断りました。
その物語が新聞に掲載されたところ、これが美談かどうかはともかくとして、バーモント州のおもちゃメーカーが、クマのぬいぐるみを作りました。これにセオドア・ルーズベルトの愛称だった「テディ」をとって、「テディ・ベア」が生まれた訳です。
「テディ・ベア」自体、はっきりとした商標を持っていないようですが、バーモント州のおもちゃメーカーが作る「テディ・ベア」が元祖と言うことはできます。このメーカーは、今でもひとつひとつ手作りらしいです。
話を戻しましょう。
彼が残したこの言葉は、ものすごく単純で、ものすごく簡潔で、既に実践していることなのかもしれませんが、それでもここまで割り切ることはなかなか難しいと思います。
何処の業界に限ったことでもなく、「仕事に詰まる」ことは必ずあります。もし仕事に詰まったことがないのであれば、是非お話をお聞かせください。
好調なときは気にもなりませんし、視界にも入らないはずなのですが、不調なときには何故か、「隣の芝生が青く見える現象」が起こります。
つまり、自分のせいではなく、環境のせいにしたい訳です。
ですが、自分の力を最も発揮できる場所は、往々にして、自分が今いる場所です。何故なら、その場所を一番知っているのが自分だからです。だから悩むのです。
大統領の言葉ともなると、その重みは測り知れませんが、彼は、こうも言えたはずです。
『たった一人で、私の理想を実現しろ』
特段、不思議なこともありません、何しろ、大統領ですから。
全力でやる、ということが一番大切です。
良く「信じれば実現する」という言い方をしますが、これには補足が必要です。私も、短絡的な「おまじない」で理想が実現するとは思っていません。
信じていれば、全力を出せる=成功の道へ
信じていなければ、全力は出せない=失敗の道へ
当然と言えば当然の話になる訳です。
全力でない人が、成功をつかみ取る確率は、いったいどれほどでしょうか。
人にはそれぞれ、ポリシーやプライドがあり、その時点で発揮できる能力にも差があります。個人個人が最大限の力を引き出すことができれば、それが理想に最も近い状況であることは間違いがありません。
実は、「理想を実現しろ」と、「自分にできることをしろ」には、大した違いがないのです。
全力を出す意志を引き出す言葉として、ルーズベルトは語ったのではないでしょうか。
「今」、「その時」、「その場所」で、己の全力を出すことができなければ、「いつか」、「何処か」で、全力を出すことなどできるはずがありません。
今、いる場所で、今、自分が持っている力で、今、自分にできることをする。
それはつまり、
自分にしかできないことをする。
のと同義になる。。。そんな風に考えるのです。