引き継がれていた”モノ”に見た「仕事とは?」の答え
投稿者:吉田 亮
2011/01/31 18:16
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『あのお客様、更新してくれたんだ!!』
「過去」と呼称される概念があまり好きではない私は、
ふだんから、夢がない後ろは振り向かないタチなのですが、
ふと先日。
思いがけず、ある場面で、記憶の走馬灯状態に陥りました。
私も当社に参加してから数年が経ちますが、
直接私がディレクションを担当したお客様のご契約が、
続々と満期を迎えるタイミングになってきています。
このタイミングで、サイトをリニューアルされる方もいれば、
別のサービスに移行する方もいらっしゃいます。
配属当初は、
まだWebと呼ばれるものが成熟しているとは言い難い市場の中で、
「ディレクション」という言葉すら知らず、
そもそもパソコンを扱うこ とすらままならず、
とにかく必死に知識を取り入れながら、走りながら、考えながら、
客先で上司に置き去りにされながら(しかも2回)、
1秒でも早く「IT業 界」に馴染もうとしていたような気がします。
・・・などという回想はこれくらいにしておきまして。
ある場面とは、
数年前に、自分が担当していたお客様のご契約が更新され、
Webサイトをフルリニューアルすることになり、
現在のWebマーケティング課のメンバーが
新しい担当としてディレクションを始めた
場面です。
当時の自分よりも、遥かに精度高く。
それはすごく普通のことかもしれませんし、
当然のことなのですが、
何故かふと、郷愁のようなものを感じました。
現場第一主義の私でありますが、
特に最近は、
なかなか最前線で誰よりも多くディレクションをこなす、
という訳にはいきません。
そんな中で、
仕事の仕方だったり、考え方のポイントだったり、使用すべきツールだったりを、
共有してきた課のメンバーが、
当時の自分と同じように、
お客様の業態のことを考え、どうすれば結果に結びつくのかデータを収集し、
構成を考え、構造を考え、デザインを考え、サイトを形作っていく。。。。
引き継がれていた”モノ”。
そのときに浮かんだキャッチコピー(?)がこれです。
当時のお客様に、会社として、
現在くらいの提案やサポートが行えていたかというと、
否と言わざるを得ません。
当時では精一杯だったと思いますが、
到らぬ点は、やはり多くあったはずです。
ご不満な部分も、ご不安な部分も、
お客様には、きっとたくさんあったと思うのです。
それでも、お客様は、
再度、新しくご契約を決断してくれました。
何ひとつの信用も信頼も期待もなければ、
さすがにご契約は継続していただけないでしょう。
何がお客様に伝わっていたのか、
それは確かめられずにいますが、
当時も、コンタクトセンターが開設してからの運営時も、
みんなが必死にやっていたことだけは、
少しでも伝わっていたのかなと思います。
それを汲みとっていただいたことに感謝すると同時に、
そういったお客様のお手伝いを、現在の自分の課のメンバーが、
お客様のことを考えながら一生懸命やっている。。。。
(つながってるんだなぁ・・・)
と、恥ずかしくも、そんな風にシミジミしてしまった訳です。
できれば、
現在のパフォーマンスまで達した自らが、
今できる最高のディレクションで
新たなサイト制作のお手伝いをしたいところだったのですが、
しっかりと引き継がれていることも確認できたので、
ちょっと口を挟んだくらいで、安心して任せることができました。
なんというか、こう・・・あまり上手く言えないのですが、
仕事は、
時に重荷で、時に孤独で、時に懊悩の種となり、
自分以外の人間にはこの苦しみは絶対にわかるまい!
などと平気で思ったりするものなのですが、
それでもやっぱり、
『誰かのために』
するもので、
それがつながっていくのが、一番いいカタチなのではないかと、
そんな風に思えた場面でした。