CS部とミッション・ステートメントのご紹介
投稿者:小川 悟
2007/09/25 00:56
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皆様こんにちは。
前回の記事では、僭越ながら私自身のご紹介をさせて頂きましたので、第2回は私が管理しているCS部のご紹介をしたいと思います。
CS部はちょうど”工場”にあたる部門です。
営業部が受注したお客様を、業務部にて与信及び契約管理を致します。
そうして当社の「お客様」となったご契約者様へ当社サービスを提供、保守・メインテナンスをお受けする部門となっております。
簡単に業務内容を公開させて頂きますと、分かりやすく「Webコンサルティング事業」を例として挙げますが、営業マンがプロデューサーとなって1件の受注を短期プロジェクトとしてグランドスケジュールを出した後で、CS部からはWebディレクターが営業マンに同行して顧客と打ち合わせを行い、その後要件定義を行います。
次に社内のWebライターに要件が伝えられ、Webサイトの要とも言うべきテキスト起こしの作業に入ります。
仕上がったテキスト原稿と策定したワイヤーフレームを元に、コーダー(兼マークアップ・エンジニア)とデザイナーへ指示出しを行い、いよいよWebサイトの制作に取り掛かります。
仕上げとして、QC(クォリティ・コントロール)担当者とWebディレクター、及び営業マンの確認が入り、問題がなければ顧客納品です。また、納品直後から早速、SEO担当者によるメインテナンス作業が始まります。
納品後のお客様からの修正依頼などはコンタクトセンター部門が一時的にお預かりし、Webサイトの新規制作とは別のラインである専属の担当者が修正業務を担当します。
「顧客のベネフィット」をゴールに掲げて、営業マンやWebディレクターといった上流工程に始まり、SEOやQC(クォリティ・コントロール)、CC(コンタクトセンター)部門の下流工程に至るまで、各部門の責任者(マネージャー)が責任を持ってお客様へ提供するサービスを監理監督致しております。その際に留意しているのが、「生産管理のQCD」です。QCDとは、Quality(品質)・Cost(コスト)・Delivery(納期)の頭文字をとったものです。最低限として、品質管理・コスト管理・納期管理がしっかり行えていなければ、どれだけ長時間仕事をしていても意味がありません。CS部員は皆、日々このQCDの「カイゼン」に対して試行錯誤しています。
しかし、皆がどんなに頭を悩ませながら制作した成果物でも、納品したお客様にご満足頂けなければまったく意味がありません。良かれと思ってした行為が、お客様の不満に繋がったりすることもあるのです。このへんが既製品と違い、オーダーメイド製品の悩ましいところです。
むやみにCRM(顧客関係管理)を掲げるのは良いのですが、履き違えてはならないのは「お客様を満足させること」ではなく、「お客様が満足すること」です。この二つは似て非なるもので、前者は主語が自分、後者はお客様となっています。ケースによっては、このように客観的な視点にフレキシブルにスライドして考えることが出来なければ真の顧客満足は得られません。とはいえ、言うは易し行うは難しです。
そこで、CS部では以下の4つの「ミッション・ステートメント」を掲げました。
1、顧客至上主義
2、コストセンター
3、独自のバリューを築こう
4、仕事は楽しくやろう
「ミッション・ステートメント」とは、言い換えれば”信条”のようなものです。当社では“芯”と言われたりもします。
人は誰でもそれぞれの価値観を持っていながら、何か良し悪しの判断をする際には必ずこの”信条”の優先順位に基づいて判断を下しているかと思います。判断する際に優先順位を付けられなくなった状態を俗に「悩む」と言ったりしますが、目的を明確にした後は確固とした「芯」と「意志(ヴィジョン)」さえあれば悩むことはありません。悩む対象は常に「手段」であって、「目的」は悩むべきものではありません。「目的」は事前にしっかりと決めておくべきで、悩む前に「考える」ことをCS部では重要視しています。考えに考え抜いて重み付け(重要度・緊急度の座標へのマッピング作業や、メリット・デメリット等の切り分け・グルーピング作業)と優先順位付けさえできれば、誰でもこのミッション・ステートメントの支えを受けながら、自発的な行動(手段)がとれるようになるという不思議な力を宿した合言葉なのです。
日々忙しい中で仕事をしていると、人は誰しも気が付かないうちに自己中心的な言動を行ってしまいがちです。
Webサイトの改善案を出すにも過度に個人の技術やセンスに由来していたり、「お客様が納得してくれない」といった責任転嫁のような発言はままあることです。しかしこれでは真の問題解決にはなりません。Webコンサルタントが自身の問題について解決出来ないのは問題であるので、状況判断を行う上で必要なエッセンスを優先順位順に示したものが上記のミッション・ステートメントとなります。
組織が拡大する中で、こうしたマニュアルでは伝わりにくいDNAのような想いの塊を後継者に伝えてゆくのは至極困難ですが、しっかりと計画立てて構築していかないと取り返しのつかないことになってしまいます。そのことは堺屋太一氏が代表作『団塊の世代』の中で主人公を通して述べられていましたが、この「団塊の世代」については次回に触れてみようと思います。
それから、先のミッション・ステートメントについても、詳細まで説明すると長くなってしまいそうなので、また別の機会に触れたいと思います。
cf.CS部の体制は以下のページをご覧下さい。