メルマガは死んだのか!?|二極化する読者を見極めて成果につなげる方法

投稿者:コンテンツ編集課

2010/02/26 23:07

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──本当にメルマガは死んだのか!?

いささか等閑な投げかけですが、10年前からのデータを追っていくと、確かに全体のメルマガ購読者数は緩やかに減少しており、新規購読登録者数は枯渇しつつある状況です。

この状況に呼応するように大手メルマガ配信サービス「カプライト/カプリッチ」「Yahoo!メルマガ」が2010年3月末、4月末をもって終了するというニュースも飛び込んできました。

とは言っても、メルマガを利用した販売促進は今も非常に効果的であるし、プッシュ型のWebツールとしての価値はまったく衰えていないと私は考えています。今回はその根拠をご提示したいと思います。

衰退の主な要因は、迷惑メールの増加(2008年12月に改正法施行)や記事広告の増加による興味の減退、無興味層のメルマガ離れなどが考えられ、総体的に読者に敬遠されるケースが増えたことでしょう。

では、販促に効果的で高い価値を維持するメールマガジンにするためには何をどうすればいいのでしょうか? メールマガジン読者の興味を示すタイムリーなリサーチデータがあったので紹介したいと思います。

インターネット調査会社マクロミルが2009年12月に実施した「メールマガジンに関する調査(対象:20 – 49歳の男女、500サンプル)」によると、3年前と比較して「購読頻度が増えている」と回答したのは66%。その中で「とても増えている」という方はなんと29%にも上っています。

また同時に「読まなくなったメルマガの数が増えている」が46%と、しっかりメルマガの有用性を選別している状況が見てとれます。

積極的にインターネットを活用している人がメルマガを読む機会はむしろ増えているものの、無駄なメルマガは無視している、または解除しているという傾向があると考えられるでしょう。

■パソコンで受信するメルマガの数
「とても増えている(29%)」
「やや増えている(37%)」

■読まなくなったメルマガの数
とても増えている+やや増えている(46%)

■携帯で受信するメルマガの数
「とても増えている+やや増えている(38%)」

■いつも読む(お気に入りの)メルマガの数
「とても増えている+やや増えている(35%)」

■メルマガを読む時間
「とても増えている+やや増えている(34%)」
「やや減っている+とても減っている(18%)」

マクロミル「メールマガジンに関する調査」
対象:全国の20 – 40代
調査期間:2009年12月2日(水) – 12月3日(木)
有効回答数:500名

メルマガ読者が淘汰され、コアな読者(活用している)は増えている。この状況は、配信する側から見ると非常に好況だと言えます が、メルマガ全盛期にあったような闇雲な配信では一向に興味を示してもらえない状況。

今後もこうした二極化が進むと考えられます。逆に考えると、たとえ有料であったとしても、有益な情報を継続的に掲載するなど、常にユーザーのメリットを考えたメルマガであれば、高いコンバージョン率を実現・維持できるはずです。


◆読者がメールマガジンを読まなくなる理由

では、どんなメルマガが捨てられ、どんなメルマガが読まれているのか。マクロミル調査結果によると「タイトルで読むか読まないか判断する」という方は84%。「最初に見える範囲の内容で読むか判断する」という方は79%でした。

 

また、読みたいと思うメールマガジンの種類は、「クーポン割引情報」と「キャンペーン情報」が63%、「興味のあるジャンルの情報」が57%でした。逆に メールマガジンを読まなくなる理由は、「興味のない広告宣伝が多い」が64%、「内容がつまらない」が53%、「配信頻度が多すぎる」が50%となっています。


「興味のない広告宣伝が多い(64%)」
「内容がつまらない(53%)」
「配信頻度が多すぎる(50%)」
「興味がなくなった(37%)」
「一回のメルマガが長い(30%)」
「レイアウトが読みづらい(28%)」
「文章の量が多い(26%)」
「登録した覚えがない(26%)」
「毎回ほとんど同じ内容(25%)」
「文章が分かりにくい・読みにくい(21%)」


これらのデータから、メルマガを継続的に読んでもらうために「内容の充実(価値提供)」という観点が極めて重要であることがわかります。

 

メールマーケティングの実施を前提に、コミュニケーション戦略を立案した上で、開封され読んでもらえるための工夫を凝らし、コアな読者の関心を常に惹くような企画、メリットを感じさせる内容を提供しつづけなければならない。さもなければ、ゴミ箱に直行となるでしょう。

 

ちなみに読んでいないメールマガジンは、「届くたびに削除する(パソコン63.6%・携帯電 話52.7%)」「配信停止の手続きをする(パソコン40.9%、携帯電話31.9%)」となっています。これでは迷惑メールと同じですね。

 

ひと昔前に比べてメールマガジンで効果を出すためには大変な労力が必要です。前述した無料メルマガスタンドサービスが終了したのはすごく象徴的で、有料の配信ASPや配信ツールを導入し、場合によってコンサルを受けたりプロのライターに記事を発注したりすることで、大きな売上や利益につなげている企業が増えています。

 

メールマガジンは、大変な手間がかかるものの、マーケティングを実施した上で、企画立案、記事の制作(内容の充実が必須)、効果測定、改善というPDCAサイクルを回すことができれば、大きな効果を上げられる極めて優秀なツールです。

 

メルマガは死ぬどころか、使い手によってはむしろ磨きがかかっているのです。最近、改めてそのオンリーワンの有用性を感じています。

 

【編集担当:松岡】

Webライティング