「医療類似行為」って何なの?|鍼灸、マッサージ、カイロプラクティック、気功、整体…各種療法や資格の異なる表現範囲を理解する
投稿者:コンテンツ編集課
2009/10/31 19:19
この記事は約4分で読むことができます。
まず下記のキーワード群をご覧ください。これらは、代表的な「医療類似行為」あるいはその周辺のボディケアの代表的な施術方法や療法・療術です。どこの街にも1つや2つは存在するものであり、ホームページやインターネット広告でもよく目にします。
今回「医療類似行為」「美容医療」などその範囲が分かりづらい分野について採り上げてみたいと思います。
・あん摩
・マッサージ
・気功
・指圧
・鍼灸
・足つぼ
・整体
・温熱療法
・柔道整復
・オステオパシー
・リフレクソロジー
・カイロプラクティック
上記に挙げたジャンルの共通点は「医療行為」ではないことです。つまり医療(医業)の範囲に踏み込んだ表現(病気・疾病が治る等)は御法度になります。ただし、この中には、俗に医業類似行為(今回のテーマですね)と言われる国家資格を取得した者のみに許されている施術分野が含まれており、特定の効果・効能表現が可能です。医業類似行為は、医業とそれ以外との中間という位置付けと考えておくとイメージしやすいかもしれません。医療なのか、類似医療なのか、美容なのか? まずはここを明確にしておくことが同分野のライティング工程の第一歩と言えるでしょう。
【医療類似行為にあたる国家資格は4つ】
「あんまマッサ―ジ指圧師」
「はり師」
「きゅう師」
「柔道整復師」
医師や歯科医師は、医師法や歯科医法に基づいた正系の施術者であり、それに対して「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(通称:あはき法)」や「柔道整復師法」に基づく「あんまマッサ―ジ指圧師」「はり師」「きゅう師」「柔道整復師」は、業務の制限を受けた傍系の施術者とされます。上記以外の施術(療法)については、日本ではすべて未法制となるため、原則として身体への影響の標榜はできません。
■医師法 第17条
「医師でなければ、医業をなしてはならない」
■歯科医師法 第17条「歯科医師でなければ、歯科医業をなしてはならない」
■柔道整復師法 第15条「医師である場合を除き、柔道整復師でなければ、業として柔道整復を行なつてはならない」
■あはき法 第12条「何人も、第一条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならない。ただし、柔道整復を業とする場合については、柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)の定めるところによる。」
■あはき法 第7条1. あん摩業、マツサージ業、指圧業、はり業若しくはきゆう業又はこれらの施術所に関しては、何人も、いかなる方法によるを問わず、左に掲げる事項以外の事項について、広告をしてはならない。
・施術者である旨並びに施術者の氏名及び住所
・第一条に規定する業務の種類
・施術所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項
・施術日又は施術時間・その他厚生労働大臣が指定する事項
2. 前項第一号乃至第三号に掲げる事項について広告をする場合にも、その内容は、施術者の技能、施術方法又は経歴に関する事項にわたつてはならない。(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律より)
医業、歯科医業、あん摩・マッサージ・指圧、はり、きゅう、柔道整復を行う者は、それぞれの免許を受けた者以外行うことはできません。
これを無免許で業として施術を行ったり、その広告表現をした場合、法律の規定により刑罰の対象となります。
以前より本コラムでお伝えしてきたインターネット広告やホームページの制作における「表現・表記」の問題。私の感覚値になりますが、健康食品やサプリメント、コスメ関連を取扱う企業は、文章表現(訴求力とコンプライアンスのバランス)に対する意識が高く、そこが企業や商品の生命線であることを強く認識しているように思います。
他方、医療類似行為関連業、その周辺のボディケア関連業の場合は、まだまだ認識が甘く文章表現を蔑ろにしている事例が多いように感じています。ピンと来た方は、自社(やクライアント)の広告表現や説明文などに留意してください。
たとえネット業者などに任せたとしても、業者の法知識の欠乏から実際に問題が発生して責任を追求されることがないとも言い切れません。
法律に基づかない手技療法であっても、私たちが健康を維持するために必要なであることに変わりはありませんし、法整備に対する賛否はあるにせよ、現行の法律に対する良識を深めて準じることがそもそもの事業を健全かつ発展的に進める唯一の方法だと思います。
当社には、医業、歯科医師業、医療類似業、ボディケア業と、各属性のクライアント様がいらっしゃいますので、今後も引き続いてWebコンサルタントとして、あるいはライター、広告制作者として適切なご提案を差しあげられるよう努めてまいります。
【編集担当:松岡】