『Google Analytics Summit(グーグルアナリティクスサミット)】に参加して
投稿者:セールスマーケティング部
2013/01/15 11:36
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今回は、アクセス解析ツールであるGoogle Analyticsのご紹介を通して、
2013年のWeb戦略として、Web担当者の方が対応すべき事項をご紹介させて頂きます。
当社は昨年の8月にGACP(Google Analytics Certified Partner:
=Google アナリティクス認定パートナー)に認定されました。
Googleによる審査を通過し、資格基準を満たした企業だけに与えられる
認定です。
ご紹介:当社ニュースリリース<http://www.freesale.co.jp/news/release/gacp.html>
この認定制度の特典として、「Google Analytics Summit」という、
年に一度シリコンバレーで開かれるGoogle Analyticsの年次報告
および新機能発表の会に招待を受けました。
今年は、このSummitに当社の代表として私が参加させて頂き、
2013年に実装される予定となっている新機能の発表を聞いて参りました。
その機能紹介を含めて、今後のアクセス解析のあるべき姿とその対策を
ご紹介させて頂きます。
では早速、
≪Google Analyticsの進化≫
~ユニバーサルアナリティクスがもたらすもの~
■「セッション」から「ユーザー」へ
・Google Analyticsの基礎となっていた「セッション」(=訪問)という概念からの脱却
Google Analyticsは、その数値計測の基準として、「セッション」(=訪問)という
計測単位を用いています。これは、ユーザー”1回の訪問”、という意味で、
この1回あたりに何ページ見たか、何秒滞在したか、1ヶ月に何回の訪問があったのか、
と計測をしていきます。
その単位を、「ユーザー」(=その名の通り1人のユーザー)単位で計測するようになるのです。
これにより、実際のユーザーの動きをより大局的に解析することができます。
では、なぜ「ユーザー」で計測しなければならないのでしょうか。
近年加速度的に高まる様々なインターネット端末
(PC、スマートフォン、タブレット、ゲーム機)の登場により、
1ユーザーが複数の端末を所有していることが珍しくなくなりました。
これによって、ユーザーの動きもより複雑となっているのです。
例えば、
会社のPCでサイトを見たユーザーが、帰り道にスマートフォンでアクセス、
最終的には家のタブレットで商品を購入する、
こんな動き方も容易に想定できますよね。
これまでの「セッション」(=訪問)では、これらのアクセスが全て分断されて
計測されていましたが、これを「ユーザー」という単位で通して計測する事で
よりリアルなユーザーの動きが見えてくるのです。
つまり、1人のユーザーが、御社のWebサイトに対して
どんな動きをしているのかを、より詳細に分析できるのです!
もちろん、その分析(各種端末での動きなど)に対応する戦略が大切になりますね。
■広告プラットフォームの統合
・Googleの広告であるAdwordsなど、広告アカウントとの統合
Google Adwords広告やGoogleリマーケティング広告などと
仕組みを統合することによって、一括した解析を可能とします。
つまり、広告データと連動した解析を行う事ができるようになるのです。
まずはGoogleの広告だけとなりますが、将来的にはYahoo! JAPANなどとも
連動できる仕組みを作るそうです。
これまでは、Adwords広告での改善、Yahoo!リスティング広告での改善、
Google Analyticsでの改善、と分断されていたWeb解析が、
ひとつの統合されたデータとなることで、サイト全体を包括した
大きなPDCAサイクルを回すことが出来るのです。
もちろんこれも、それぞれの広告や、アクセス解析を包括する知識と
その戦略が必要となることは言うまでもありません。
■オンラインとオフラインの連携
・オンライン(=Web上)のコンバージョン(=お問合せや予約などのアクション)データ
だけでなく、オフライン(=Webではない)のコンバージョンデータを統合して解析
現在は、Eコマースサイトなどでない限り、実際のお客様(来店や購入など)と
なったユーザーを判別することは大変難しいです。
店舗型のビジネスをされているサイトの場合、「来店予約」を
コンバージョンとして計測し、PDCAサイクルを回していると思いますが、
実際に来店されたかどうかまでは判別が出来ませんでした。
これを、オフラインのデータ(顧客管理システムなどで管理されている場合)を
Google Analyticsに還元することで、実数値に基づいた解析(ROASのデータ取得)と
その対策を行うことが可能となるのです。
例えば、「来店予約」をしてくれたのに、実際には来店してくれなかった
ユーザーがどんな経路で流入したのかを識別することも可能ですし、
上記の広告との連動を用いれば、そのユーザーだけに絞った広告を
配信することなども可能となるのです。
戦略が大きく広がりますね。
■アトリビューション分析
・コンバージョンまでの軌跡を追うことによって各流入の貢献度を
多角的に測るアトリビューション分析
アトリビューション分析とは、コンバージョンに至った流入だけでなく、
その経緯となった軌跡を見る分析です。
例えば、Yahoo!検索で初めて訪れたユーザーが、
2回目にはGoogleで検索しブックマーク、
3回目はそのブックマークから訪れて会員登録したことで、
4回目は配信されたメールマガジンから流入し商品購入に至ったとします。
この場合、コンバージョンがあった流入経路はメールマガジンとなりますが、
Yahoo!やGoogleも影の立役者と言えます。
この功労者たちを数値として反映させることが出来るのが、
アトリビューション分析なのです。
くどいようですが、この分析も数値をとった上で、その改善を行い、
次の戦略立てを行うことが必要です。
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ただし、これら新機能はもちろんすぐに出来ることではなく、
ユーザーすべてを識別できるように、ログインの仕組みを持たせるなどの
“仕掛け”が必要となります。
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以上(まだ一部ではありますが…)がGoogle Analyticsの新機能であり、
Web担当者の方が今後対応して行かなければならない考え方となります。
振り返りますと、
これらが実装されることによって、それぞれ下記のような対策が必要となります。
■「セッション」から「ユーザー」へ
→各端末(PC、タブレット、スマートフォンなど)を包括したWeb戦略の立案
■広告プラットフォームの統合
→広告とWebサイト両面の知識をもって、これを包括したアクセス解析とWeb戦略立案
■オンラインとオフラインの連携
→解析データの拡大と、広告を含むWeb戦略の拡大、
O2O(オンライン to オフライン)プロモーション手法
■アトリビューション分析
→アトリビューション分析を踏まえた解析スキルと、
そのデータと特性を活かしたWeb戦略の立案
大変です。
実際にはこれらのコンサルティング知識だけでなく、
実装・設定などに関する技術的な知識も必要となります。
やはり、本業の片手間でできるほど、現在のWeb担当者は甘くはありませんね。
【編集担当:岡本】