ツイッターマーケティングを劇的に変える!?軟式企業アカウントの「四段活用」

投稿者:コンテンツ編集課

2013/07/20 17:10

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ツイッターマーケティングを行ううえでは、企業アカウントにも個性が必要、ということは「ツイッターマーケティング成功への“3つの視点”」のエントリーで述べた通りです。

……とは言っても、どれくらいの個性をどのように出していくかは、企業におけるツイッターの役割や位置づけによって変わるため、一概に「こうすべき」というものはありません。

大切なことは、何を目的としてツイッターマーケティングを行うかです。

今回はWeb担当者様・広報担当者様に向けて、効果的なツイッターマーケティングのための、個性を全面に出す“軟式”企業アカウントの「四段活用」についてお話ししていきます。

目指す“ツイートの軟度”によって「中の人の形態」を変える

ツイートの軟度は、「どれほどくだけた表現をしていくかの指標」と言い換えることができます。軟度が高いほど、個性的な発言が可能になっていくというわけです。

形態を変える中の人

形態を変える中の人

今回紹介する活用法は以下の4段階。

1.企業名アカウント(担当者匿名)
2.企業名アカウント(担当者実名公開)
3.個人名アカウント
4.キャラクターアカウント

それでは順にご紹介していきましょう。

アカウント活用1.「企業名アカウント(担当者匿名)」

軟度 ★☆☆☆☆(硬い)
リスク管理 ★★☆☆☆(リスク高め)
運用のしやすさ ★★☆☆☆(やや難しい)

担当者を匿名にした企業名アカウントは、多くの企業で採用されている形態です。

アカウント名=企業名で、つぶやいている「中の人」がどこの誰かは明かしません。企業そのものによるつぶやき、と言えるパターンです。

アカウントとしての個性は比較的出しづらく、また、ユーザー側から「中の人」の実体が見えないためフォロワーとの間に壁を作ってしまい、親近感を持ってもらいにくいパターンです。

また、この運用法の場合、ツイートが企業の総意と捉えられることが多いため、うっかり不用意な発言をしてしまったことで炎上してしまうケースもあります。経営者様以外のスタッフが一人で運用する場合、リスク管理の観点でも難しいやり方と言えるかもしれません。

あえて個性を出していく必要がない、キャンペーンや新製品の広告、店舗のセール情報など、比較的オフィシャルな情報を発信していくアカウントに向いています。リスク管理さえ徹底できれば、汎用性の高い(=運用者の“つぶやき力”が問われない)活用法です。

アカウント活用2.「企業名アカウント(担当者実名公開)」

軟度 ★★★☆☆(やや硬い~やや軟らかい)
リスク管理 ★★★★☆(リスク低め)
運用のしやすさ ★★★☆☆(普通)

企業名のアカウントを使いつつ、プロフィールまたはツイート内で担当者を開示するパターンです。

担当者が一人ならプロフィールに書いてあらかじめ誰がつぶやいているのかを公開し、担当者が複数いる場合は、各ツイートに担当者名を入れるなどして運用します。

メリットは、大きく3つあります。

1つ目は、「個性の出しやすさ」。個人からの発信とすることで匿名担当者の企業アカウントに比べて個性を出しやすくなります。オフィシャルな発言だけでなく、個人的な発言も比較的しやすくなることでフォロワーとの壁が小さくなり、密なコミュニケーションを取りやすくなります。

2つ目は、「リスク管理のしやすさ」。あくまで運用者個人の意見であることを明記しますので、万が一失言をしてしまったときでも企業の総意ではなく「個人の意見です」と線引きができ、リスクヘッジにもなります。

3つ目は、「人員配置のしやすさ」。あらかじめ誰が書いているかを明記しているため、担当替えをする際にもツイートの個性(性格、つぶやきの傾向など)を引き継ぐ必要がありません。

オフィシャルなツイートにも個性的なツイートにも対応するバランスの取れた選択と言えるでしょう。

ただし人によってテイストが異なるため、ツイートが散漫にならないようあらかじめ「運用ガイドライン」を策定するなど、ある程度スタンスを統一しておくことをおすすめします。

アカウント活用3.「個人名アカウント」

軟度 ★★★★☆(普通~やや軟らかい)
リスク管理 評価なし(自己責任)
運用のしやすさ ★★★★★(しやすい)

経営者様の個人アカウントに企業ツイッターとしての役割を合わせた運用パターンです。

アカウント名は個人名としながら、会社名も公開します。バランスは人によって異なりますが、2.「企業名アカウント(担当者実名公開)」よりもさらにプライベートなつぶやきを行いつつ、企業の顔としての広報活動も同時に行うことができます。

この運用法は、著名な経営者(ソフトバンクの孫正義氏やサイバーエージェントの藤田晋氏などが代表的)が多く使っている運用方法です。ユーザーと対等な立場でコミュニケーションを図れ、生の意見を直接集めることができます。

通常であれば代表窓口から多くの部署を通った末に経営者に意見が届くことを考えれば、ダイレクトなコミュニケーションができるためユーザー側からみても大きなメリットになるというわけです。

ただし、マーケティング手法として成立させるためには、経営者自身が著名であったり、大企業の担当者であったりする必要があるため、ハードルの高い手法と言えるかもしれません。

また、このアカウントのみでマーケティングが成立することはまれです。1.「企業名アカウント(担当者匿名)」や2.「企業名アカウント(担当者実名公開)」のパターンのオフィシャルアカウントと併用する必要があるでしょう。

アカウント活用4.「キャラクターアカウント」

軟度 ★★★★★(非常に軟らかい)
リスク管理 ★★★★☆(リスク低め)
運用のしやすさ ★☆☆☆☆(難しい)

企業や商品のイメージキャラクターをアカウント名とする方法です。

最近ではだいぶポピュラーになってきました。メリットとして、キャラクターの個性を前面に出してPRを行えること、ユーザーに親近感を持ってもらいやすいということ、有名になれば、そのあとに次の展開(キャンペーンやグッズ展開など)も考えられること、リスク管理がしやすいことなどが挙げられます。

ただし実際には、キャラクターのアカウントがうまく運用できないことはよくあります。起こりやすい問題点に以下のようなものがあります。

1.キャラクターのブレ
運用していくうちにキャラクターの性格にブレが生じるパターン。口調が変わったり、ツイートの内容が急に過激になったり……最初に定めたイメージを一貫して保っていかないとフォロワーが戸惑ってしまい、継続的なファンが付きにくくなってしまいます。

2.そもそもキャラクターが定まっていない
ただキャラクターのアカウントで通常どおりつぶやくだけでは、担当者が「お面」をかぶっていることと一緒です。そうならないためには、運用前にしっかりとしたキャラクター設計を行うことが重要。どんな性格でどんなことが好き・嫌いで、どんなことをメインにつぶやくのかなどを明確に設計することで、1.「キャラクターのブレ」の問題も防止できます。

3.企業イメージとのギャップ
運用していくうちに「これ、なんためのキャラクターだっけ?」と路頭に迷ってしまうことも多いようです。ツイートの面白さやユーザーとのコミュニケーションばかりを重視していると、最初に目指していたキャラクター像とどんどん乖離していく可能性があります(例:企業や商品とはまったく関係のないツイートばかりしている、イメージとかけ離れた乱暴な口調など)。

これも、定めたキャラクター像を守るということが基本になります。

4.失言による炎上
過激な発言をすることをアイデンティティとしているキャラクターもいるかもしれません。しかしそれが災いして炎上し、結果、アカウント閉鎖に追い込まれるという「事件」も実際に起きています。

わざと炎上させて話題を広げる「炎上マーケティング」という手法もありますが、意図的に行って成功するケースは極めて少ないとされています。くだけた口調のツイートを基本としているだけに、他の活用法以上に「うっかり発言が企業のイメージを貶めるかもしれない」というリスクを常に頭に入れておく必要があります。

炎上の様子

炎上の様子

これらのことから、キャラクターアカウントはメリットが多い反面、運用の難しさもワンランク上であることを認識しておかなければいけません。成功する企業キャラクターには、その高い壁を飛び越えるだけの独創性が、運用者の図る・図らざるを問わず必ず内包されているものなのです。――その秘密は、次回以降でご紹介していくことにしましょう。

適切な活用法で効果的なマーケティングを

ツイッターでのマーケティングを行う際に、どのようなユーザーに向けてどのように使うのかを考えるのが重要だということはご存知かと思います。

くわえて、企業ツイッターの方向性を決めるうえでは、運用におけるアカウントの活用法も意外と重要なのです。それぞれの特性を理解し企業にとってベストな活用法を選択することで、きっと貴社のツイッターマーケティングの効果を今以上に引き出すことができるはずです。

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【編集担当:佐藤】

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