Webライティング講座(第2回) インタビュー&編集スキルを磨く
投稿者:コンテンツ編集課
2013/08/28 15:08
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Webサイトにインタビュー形式のコンテンツを設けるケースは、よくあると思います。そこで問われるのが、ライターの「インタビュースキル」と「編集スキル」です。私も数多くのインタビュー取材を行ってきましたが、後悔した経験は数知れません。
・本質を引き出すヒアリングができなかった……
・臨機応変に話を広げられなかった……
・いい話を聞けたのに、文章にすると魅力が半減してしまう……
今回のWebライティング講座のテーマは、「インタビュー&編集スキルを磨く」。多くの失敗から得た教訓を3つのポイントにまとめてお伝えしていきます。
教訓01 エピソードを聞く
インタビューを受ける人の多くは、体裁のいい「優等生コメント」をする傾向にあります。これは、慣れないインタビューでの緊張もあると思いますし、会社を代表して答える際などは「誰に読まれても恥ずかしくないように」といった意識が働くからかもしれません。取材する側としても、特別風変わりな回答が欲しいわけではありませんが、「日々、顧客満足を追求しています!」と言われても・・・。
ありきたりな優等生コメントを避け、その人ならではのアンサーを引き出すのに効果的なのが、話しているテーマにまつわるエピソードを聞くことです。「実は以前こんなことがありまして・・・」というように、その人が初めて人に話すような内容を引き出せれば大成功。実体験に基づくエピソードには、必ず他にはないオリジナリティーが含まれています。
教訓02 口癖を捉える
人は誰でも、特有の言葉の使い方や、好んで使うフレーズを持っています。インタビュー中は、そういった「口癖」にも意識を向け、記事に生かしていくことが大切です。
これをするのは「キャラが立つ」からです。言葉の端々には、その人の性格が表れます。そういったワードを生かして編集することで、フレンドリーな人、腰が低い人、真面目な人、大げさな人、意志が強い人など、人間性を伝えられます。
「ある意味」「ちなみに」「要は」などは、よく耳にする口癖ですが、これらは本来の意味ではなくクッション的に使われることがほとんど。こういった言葉はWebライティングでは排除される傾向にありますが、インタビューコンテンツは例外です。普段の会話どおりにクッション言葉を残すことで、「間」や「リズム」が生まれ、ユーザーは実際に会話を聞いているように読み進められます。
教訓03 脱線を生かす
こちらの質問に対して、的確な答えをもらえない場合があります。「ヒアリングスキルが足りないのかな・・・」と悩んだこともありましたが、今はそれでOKだと考えています。なぜなら、前置きが長い人や話が行ったり来たりする人、関係ない話題にすり替える人などは実際にたくさんいて、そういった話を生かすことで表情豊かなコンテンツにすることもできるからです。
ヒアリングの例
Q どんな食べ物が好きですか?
A いちばん好きなのはカニです。次に好きなのはエビです。甲殻類はだいたい好きです。
これはこれでOKですが、会話というのはこんなに無駄なく進みません。
実際には以下のような展開のほうが多いのではないでしょうか。
Q どんな食べ物が好きですか?
A 最近、妻が「痩せろ痩せろ」ってうるさくて・・・で、実は今ダイエットしてるんですけど、1ヶ月で3キロ痩せたんですよ! 誰も気付いてくれませんけどね(笑)。ちなみに、こないだ家族でカニ鍋に行った時にね~
Webライティングでは「結果ファースト」が重視されますが、質問と答えが完璧に「対」になっていたら不自然で面白みに欠けます。インタビューを編集する際は、自然な会話の流れを適度に記事に盛り込んでいくことを心がけたいものです。
まとめ
どんな質問に対しても結果ファーストで、無駄話は一切なく、おあつらえ向きのコメントが整然と並んでいるインタビュー記事。ユーザーは、操作されたような不自然さや無機質で冷たいイメージを覚えます。Webライティングでは一般的に「無駄を省くこと」を重視しますが、ことインタビューコンテンツにおいては、「無駄を生かす」ことを強く意識してみるのがいいでしょう。
具体的なエピソードを交え、口癖で人柄を伝え、脱線も含め自然な会話の流れを生かす。これこそが、魅力的なインタビューコンテンツ制作の秘訣です。
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