“ステマ世代”の「ポスト・バイラルマーケティング」とは?

投稿者:コンテンツ編集課

2013/11/15 11:06

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ツイッターやフェイスブックで商品の広告をしようと考える際に、必ず念頭に置かねばらない「バイラルマーケティング」。バイラルマーケティングとは、いわゆるネット上の「口コミ」を利用することで、低コストで商材の認知度を高め、顧客獲得を図るマーケティング手法です。

素晴らしい商品があり、それを利用した人が「周りの人にも知ってほしい」と自発的にSNSなどで拡散してくことによって、噂が噂を呼び、たったひとつの「つぶやき」は「広告」にまで昇華するわけです。

そして、バイラルマーケティングの核ともなり得るのが「インフルエンサー」と呼ばれる人物。これは、世間に対して大きな知名度や影響力を持つ人物のことです。

例えば、このインフルエンサーがその「素晴らしい商品」を体験して、「すごくいいよ、これ!」とツイッターでつぶやけば、数十万、数百万という単位の人がそれを目にし、さらに大きな宣伝の波となります。

……さて、ここまで読んで何か疑問を抱いた方はいらっしゃるでしょうか?

怪しい、と感じた方は、2013年現在の感覚からすれば当然と言えます。きっと「ステマ=ステルスマーケティング」という言葉が頭をよぎったことでしょう。

ようやく問題視されるようになった「ステマ」

ステルスマーケティングとは、バイラルマーケティングを悪用したもので、意図的に嘘の口コミなどを書き込み、広めるマーケティング手法のことを言います。

2012年初頭、飲食店の口コミサイトでも口コミのヤラセ(実際には店舗に行っていないにも関わらず、高い評価を書き込む、あるいは、競合他店のネガティブキャンペーンを行う)が発覚し、「ステマ」という言葉が一気に一般化しました。

しかし、事件発覚後のあるアンケートでは、実に8割近い人が「このようなことが行われていると想像していた」と回答。ある意味、世間的に暗黙の了解であったことも示唆されています。

このレビュー、なんか怪しい・・・

このレビュー、なんか怪しい・・・

また、その同年には、複数の有名芸能人がブログで「ペニーオークション」なる、実際には低価格での落札が限りなく不可能に近いオークションサイトを宣伝し、数十万円というお金を受け取っていたという話題も世間を賑わせました。金品を受け取り、偽物の「インフルエンサー」となった有名芸能人たちは多くの非難を浴びたのです。

ステマの弊害

では、ステマはなぜ悪いのでしょうか。ポイントは2つ。1つ目は、本当によいと思っていない商品(商材・料理)までが、まるでいいように見えてしまうこと、あるいはその逆が起きてしまうこと。そして2つ目は、そうしたマーケティング手法がすべて偽物に見えてしまうことです。

現在では、本当に体験したり、食したりして素晴らしいと感じたものを紹介する行為自体がステマとみなされてしまうこともしばしば。すでに、本当か嘘か見抜くのが非常に困難な状況になってきているのです。

バイラルマーケティングにとって変わる「バズマーケティング」

バイラルマーケティングは、こうしたステマによって今まさに駆逐されようとしています。しかし、これにとって変わる存在が「バズマーケティング」です。バズマーケティングとは、口コミ(話題)を人為的に発生させ商材を広めるマーケティング手法。バイラルマーケティングとの最大にして唯一の違いは、口コミの扱い方にあります。

バイラルマーケティングが、商材を広めてくれそうなところへ種まきをしたあとで、どのように拡散していくか(させるか)にフォーカスしたマーケティングであるのに対し、バズマーケティングは、口コミではなく、その商材そのものやその商材が持つアイディアそのものを話題として広めることにフォーカスした手法です。

名称
バイラルマーケティング
バズマーケティング
手法
口コミを拡散させる方法にフォーカス 商材そのものの話題性にフォーカス
既存の顧客などに商品や食事を体験してもらい、レビューを促して周辺へと拡散させる 商品やお店そのもののユニークさを、興味を持ちそうな特定のユーザーに向けて積極的に発信する
手段
■SNS(個人の発信)
■ブログ
■レビューサイト
■SNS(企業からの発信)
■キャンペーン(Webサイト、ランディングページ)
拡散するもの
商材のレビュー 商材そのもの(あるいはレビュー)

ここで非常に大切なのが、「バズ」はユーザーの自由意志によるものであることです。

ステマになりにくい「バズ」

口コミによって拡散させようとするバイラルマーケティングでは、広告主と広告者との間に利害関係が生まれる可能性がありました。これによってステマに発展していたのですが、バズマーケティングでは、その商材そのものに興味を持ってもらうことに重点が置かれているため、ユーザーの自発的な拡散が促進されます。

つまり、「使った感想を広めてください!」ではなく、「この商品すごいでしょ!?」というアピールを行うことがバズマーケティングです。本当に「すごい!」「おもしろい!」「おいしそう!」と感じたら、ユーザーは自発的に広めていきます。使用後、食後のレビューだけでなく、「こんなのがあるよ!」という話題を広げてくれるため、ステマになりにくいのです。

今後、ネットマーケティングに求められるもの

このような現状から、Webにおいては「バズ」はますますマーケティングの主役となっていくことが考えられます。拡散するための方法ではなく、もっと本質的な「商材そのもの」の魅力にフォーカスされることによって、今まで以上に“本物”の商材や企画が求められる時代になったと言えるのかもしれません。

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【編集担当:佐藤】

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