ディレクション講座01【Webディレクションを考える】
投稿者:Webマーケティング部
2009/05/07 21:39
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『そもそも、ディレクションとは何でしょうか?』
「ディレクター」を辞書で引くと、
[1] | 映画の監督。また、演劇の演出者。 |
[2] | 放送関係で、番組の主担当者。 |
[3] | 楽団などの指揮者。 |
などと書いてあります。
それぞれの業界では、少しずつ役割が異なりますが、Webディレクターの場合は、この全てに当てはまります。
監督であり、演出家であり、主担当者であり、指揮者だからです。
少し言い換えると、「全体を見る者」と言うことができるでしょう。逆に言うと、全体が見えていなければWebディレクションはできない、ということです。
もともと「ディレクター」は演劇用語で、第2次世界大戦以降は、ひとつの舞台での「芸術表現の全責任を負う」立場がディレクターであり、「舞台興行の全責任を負う」立場がプロデューサーとされ、区別されました。言葉の定義自体は曖昧で、状況によって異なることもありますが、Webも似たようなものです。
私は良く管理者の立場からコラムを書くことが多いのですが、今でも、Webディレクションを現役で行っているプレイヤーでもあります。この側面ではあまり記事を書くことがありませんでしたので、本来の基本業務の側面から、連載物でストーリーを展開させたいと思います。
当社が「Webコンサルティング」をお客様よりご依頼された場合、ホームページの制作が伴うと、専属のディレクターが担当につきます。どうホームページを作れば、お客様の利益につながるのか、それを考えてホームページに反映するのがディレクターの仕事です。
当社のホームページの制作には、CS本部内の7部門が関わりますが、その中心にいるのがディレクターです。
ひとつのホームページを作る時、最も多くの人と関わるのがディレクターです。
プロデューサーである営業担当は、お客様とディレクターとのみ接点を持ちます。
各制作パートは、ディレクターとのみ接点を持ちます。
ディレクターは、お客様はもちろん、営業およびCS部内の各セクション全て、および必要な時はアウトソース企業とも関係を持ち、制作を進行していきます。
つまりディレクターは、各セクションの動きを全て把握していなければなりません。
ホームページをディレクションする件数は、一人のディレクターで平均7、8件程度を同時に進行させていますので、同時に関わっている人間は、進行中の案件だけでも50人から100人はいます。
関わっている人間がかなり多い。
マネジメント論にも通ずるところですが、まずひとつ、ここがディレクションの難しさでもあります。
ひとつの案件に対しては当然なのですが、同時進行する複数の案件、そこに関わるすべての方々を全体的に見ている必要があります。それを踏まえて、スケジュールを組まなければなりません。
同時期に、社内とお客様を含め、「同じ名字の方が5人いる」状態は、ディレクターでもなければ経験できないでしょう。正直、ちょっと間違えてしまうこともあります(私は一度しかありません!)。
しかしこれこそが、ディレクションの面白さであり、醍醐味でもあります。
様々な方と出会うのは、非常に刺激的です。
千差万別、同じ業種であっても、企業理念やポリシーには同じものがありません。経営方針も然りです。これほど多くの率直な意見や考え方に接することができる職業は、ほとんどないでしょう。
そしてまた、そういった経験を積むことで、ディレクターは強くなります。言うなれば、関わった人間が多ければ多いほど、ディレクションの精度は上がるでしょう。つまりは、それだけ多くの「経営」に出会うのと同義だからです。
次回は、Webディレクターの思考要素のひとつ、「Webマーケティング」について少し考えてみましょう。
【編集担当:吉田】