ディレクション講座03【Webマーケティングが誕生した理由に迫る!?】
投稿者:Webマーケティング部
2009/05/31 20:54
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『マーケティングとWebマーケティングは違うのか?』
違う、ということができるでしょう。
全ての企業において、「商品・商材」を売るためのストラテ
ジー(戦略)は大昔から行われてきました。いわんやマーケティングをや、です。
それがWebと交わったとき、ある現象が起こります。と言うよりも、Webによって消費者の方が先に変化した、というのが正しいかもしれません。
そもそも「IT」という言葉が流行り、インターネットを使い始めた企業が日本経済に軸を置き始めた要因は、【速度】と【コスト】の問題です。
それなりの結果を確実に出す広告を打つためには、莫大な時間と費用がかかります。
資金力のないベンチャー・中小企業が、年間広告費を5000万円も設けたり、渋谷の五差路から見える大型スクリーンを一週間1500万円で借り切ったり、新聞に広告枠を設けたり、専用の雑誌を出版したりすることなどできるはずもありません。
だからWebだったのです。
時間とコストをかけずに、広告する手法としてWebが選択された訳です。
今でもそうですが、創設期の私どもがアプローチをかけたのは、まさにそういうニーズを持っている方々でした。
一度作成されたホームページは、雑誌のようにゴミ箱に捨てられたりはしません。URLという住所さえ持っていれば、倉庫も要りません。誤植が発覚しても印刷所に駆け込む必要はなく、ミスによる影響は小さく抑えられます。無論、訂正するまでの速度は、出版物の比ではありません。
Webの世界は、反映までの速度や制限なき潜在顧客へのアピールによって、物理的なコストを直接に削除し、擬似的に広告宣伝費を生み出したと言えます。
ひとつ、広告物の代替品としてWebはその特性を発揮し始めた訳ですが、これはエンドユーザーにとっても、非常に便利な代物となっていきます。
かさばらないデータ通信という形式、知りたい情報に辿りつけるYahoo!やGoogleといった検索エンジンの精度、通信速度を飛躍的に高めた光通信などのインフラ整備、携帯電話によるネット環境の解放、などなど。
インターネットの利用者が増えるに連れ、Webは、もうひとつ、重要なツールへと変貌していきます。
それがマーケティングです。
ここ数年で、Webは、人々の情報源となり、辞書となり、また店舗にもなりました(日記にもなり、公園にもなり、学校にもなり、テレビにもなり・・・etc)。自宅に帰るとまずパソコンをつける。。。そんな方も多くいらっしゃるでしょう。
ネットで知りたい情報を探し、吟味し、行動に移る(またはそのまま購入する)。生活の一部に昇華したWeb上での人々の動きは、従来のマーケティング手法では追い切れなくなってきてしまったのです。Web上での動きは、Web上でとらえるしかありません。
Web上におけるマーケティングの基礎は、アクセスログです。
何処のサイトの、何処のページに、どう
いった経路で、どのようなキーワードで、どれくらいの時間訪れたのか、また何度訪れたのか、その記録が明確に残る。これは消費者の動向そのものです。ひとつ、ホームページがあるだけで、仮に何もしなくても、アクセスを解析することで、ある程度のマーケティングができます。
以前、ブラウザのシェア率の話をしたと思いますが、まさしく私は、Webマーケティングによって、答えを出した訳です。
ブラウザのシェア率を知ることで、よりユーザーニーズの高い、精度の高いサイトを作ることができるからです。クライアントのクライアント(エンドユーザー)を知ることで、当社がクライアントのために作るサイトに、そのマーケティング結果が活かされる訳です。
インターネット広告は、コスト面において従来の広告手段を根本から覆し、それがWebマーケティングという形になったのは不思議でも何でもないと言えます。
ちょっと昔まで、Webディレクターの仕事は、サイトの見せ方や構造を考え、制作の一部始終に責任を持つ「担当」というイメージでした。しかしこう
なってくると、どういったWebマーケティングを取り入れるべきか、取り入れられるのか、を企業ごとに考えながら、ディレクションをする必要が出てきま
す。
現在のWebディレクターは、そういった意味では、ITに関わる知識はもちろん、マーケティングの知識も必要になってきています。そのため、経営コンサルタントとも、システムエンジニアとも違う、Webコンサルタントという概念も生まれてきました。Webディレクターのゴールは、ひとつ、そこにあります。
事業ドメインが多岐に渡り、更なる拡大路線を予定している企業になりますと、経営課題として、今後、どういったWebマーケティングをすべきか、も重要なファクターになる時代が来ようとしています。
次回からは、もう少し実践的に、ディレクションの細部について触れていきたいと思います。
【編集担当:吉田】