ディレクション講座04【ヒアリングとマーケティングの3C】
投稿者:Webマーケティング部
2009/06/28 17:21
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『Webディレクターはヒアリングで何を聞いているのか』
Webディレクターが、サイト制作を進行するにあたり、まず最初にすることは、ヒアリングです。
ひと口に「ヒアリング」と言っても、様々な形態があります。
パッケージ商品であれば、ある程度、型にはまったヒアリングになりますし、フルオーダーであれば、かなり細かく深くヒアリングをします。また、Webサイトが経営戦略の一部となっている場合は、経営方針から経営戦略までをヒアリングしなければなりません。方法は、ひとつではないのです。
単純に「きく」と言っても、
聞く。聴く。訊く。
と、ディレクターはこの全てを行わなければなりません。
聞いているだけでは何も進みませんし、聴く姿勢がなければ相手は理解できません、そして訊くことをしなかったら、そもそもお前は何をしに行ったんだという話になります。
当たり前と言えば当たり前の話ですが、この当たり前がなかなか上手くはいきません。よっぽど内容が確定でもしていない限り、ヒアリングなしにサイトを作ることは不可能であると言えます。厳密に言うと、サイトそのものは作れますが、それが「役に立つサイト」になることはまずないでしょう。
何故でしょうか。
この答えも、そう簡単ではないのですが、それは「経営」が人間の手によって行われているからだと言えます。
人間には「ロゴス」と「パトス」、つまり 「言語」と「情動」、「論理」と「直感」、「理性」と「感性」の二つの側面があり、全てがロゴスで片付く訳ではないからです。同時に、ビジネスに付き物のアクシデントは、ほとんどがパトスから生まれ、その実、パトスによって解決されるという厄介な側面を持っています。
全てが論理で片付いてしまうのであれば、そのままを実践すれば良い訳ですから、世の中にいる全員が成功者になれるでしょう。それが有り得ないということは、わざわざ確かめてみなくても、私たちの生きている資本主義世界そのものが、証明しています。
そのあたりの重要性については、のちのち言及しますが、まずは、論理的な部分から見たヒアリングについて触れます。ビジネスとは、常にロゴスとパトスの融合であるべきだからです。
マーケティングの3C。
まずはここからです。
少しでも、マーケティングの勉強をしたことがある人なら、耳にしたことがあるでしょう。企業経営の基礎、そして、マーケティングを考えるときの基礎中の基礎になります。
マーケティングには3つの基本的な視点があると言われています。
これは当然、WEBマーケティングにも当てはまります。
1.Company 企業
2.Competiter 競合
3.Consumer 消費者
これがいわゆる3Cと呼ばれるものです。
何故この3者がフォーカスされるのでしょうか。答えは市場の仕組みそのものにあります。
商品・商材を売るためには、まず何を考えるでしょうか?
言わずもがな、「何が売れるか」を考えるでしょう。
その商品・商材が売れれば、次には「同じものを売ろうとする他社」が現れます。
例えその商品・商材が独自に生み出したモノだとしても、「パイオニアである強みは永劫ではありません」。同じことを続けているだけでは、新商品攻勢やサービス面で追い抜かれてしまいます。
「市場は生もの」です。
だから企業はマーケティングを行います。行わざるを得ません。
この単純な理屈の中で、マーケティングが「商品・商材を売るため」ならば、企業がやることは自ずと見えてきます。
自社企業(Company)を分析し、
競合(Competiter)を分析し、
消費者(Consumaer)を分析する。
『己を知り、敵を知り、消費者を知る』
それがマーケティングの3Cです。
当然、これはWebマーケティングでも同じです。
違うのは、それがWebによって行われる、という点のみです。
実質、Web上では、自社も競合消費者も、Web特有の動きをするため、通常のヒアリングではなく、Webヒアリングが必要になってきます。
Webディレクターは、この3Cからヒアリングを始めなければなりません。それを知らずに、クライアントの利益になるWebサイトを設計できる訳がないからです。
この基礎中の基礎が、高度な技術を発現できるようになった昨今、意外にもないがしろにされがちです。Webマーケティングの3Cは、サイトのコンセプトに関わる部分です。基礎を飛ばすと、あとで取り返しがつかなくなります。
Webの場合は特に、消費者の動きがWebに依存します。この「消費者を知る」ことをメインに進めれば、いろいろと課題が見えてくるでしょう。
【編集担当:吉田】