ディレクション講座05【ペルソナ(仮想顧客)を創りだす】
投稿者:Webマーケティング部
2009/09/29 23:48
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『肝要なのはターゲットについてのヒアリング。それは誰もが知っていることですが・・・』
3Cに関してのヒアリングが終われば、既に、その商品・サービスに関わる消費者の考え方や行動はほとんど見えていると思います。
しかし、ここで終って良かった時代は、数年も前の話です。
インターネットという飛び道具が登場し、消費者の行動に変化が起き、マーケティングの概念そのものが変わってきたことは前述したと思いますが、当然のことながら、消費者の行動が変わった以上、提供する側の想定も変わらなければなりません。
そこで登場するのが、
ペルソナ
という考え方です。
もともと【ペルソナ】は、開発現場や画面設計などで、操作性などを高めるため、架空の顧客モデルを作り出し、検証するために用いられていました。
これがWebマーケティングの世界にも、2年ほど前から(?)導入され始め、今では定着していると言えます。そしてそのことにより、ペルソナの定義も進化しています。
どういうことかと言うと、
性別や住所、年代、年収といった単純な属性型のペルソナだけでは、既に有益なターゲティング戦略ができなくなってきているほど、消費者の行動は多様化している、ということです。
やや極端な例を出しますと、これまで、
1.男性
2.関東
3.30代
4.年収400万前後
5.3人家族
というペルソナでも、十分に商品販売に結び付けられていたものが、
1.男性
2.東京都23区内
3.33-35歳
4.年収400万前後
5.3人家族(妻、息子)
6.ボーナスが30万円以上支給される会社員
7.土曜日と日曜日が休日
8.家族を大切にする
9.プライベートも充実させる志向
ここまでペルソナを絞り込んでの販売戦略を立てないと、売れない、競合に勝てない、というのが、リアルな市場状況になってきている、ということです。
しかし、ここには落し穴もあります。
ペルソナ設定は、状況に応じて使い分けなければなりません。
・商品、サービスそのものの特質
・経営戦略の段階
・販売ルート
・販売媒体
・市況
・これまでの統計と推測
などなど、
ただでさえ考えなければならない要素が多い中、さらに適切なペルソナを設定することは、容易なことではありません。
目に見える商品などに関しては、汎用性が高い方が有効なこともまだまだありますし、目に見えないサービスなどは、恐ろしく深いところまで設定しなければまったく売れない、ということもある訳です。
その境界線が何処にあるのかを見極めなければなりません。
それが、Webコンサルタントの仕事な訳です。
そのためには、やはりヒアリング、なのです。
その商品・サービスを購入している人物像を一番良く知っているのは、当然のことながら、その商品・サービスを売っている人物です。
基本となるヒアリング後に、大枠のペルソナを提案し、そこからさらにヒアリングで微調整していくようなイメージでしょうか。
多様化した世界では、ひとつだけの正解はほとんどありません。
誰がその商品・サービスを必要としているのか。
その「誰か」は、ぼやけていてはならないのです。
【編集担当:吉田】