参考にしたい!!アウディが力を入れる“コンテクスト“とは?

投稿者:Webマーケティング部

2017/07/26 13:34

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こんにちは、マーケターのAsamiです。

だいぶ過ぎてしまいましたが…7月の3連休はどうでしたか?
私は、沖縄旅行に行ってまいりました!! 本島だけでしたが、レンタカーを借りて色んなところを回って観光したり、美味しいものを食べたりと充実した旅行になりました。

それでは本題にまいりましょう。2017年6月28日(水)から30日(金)までの3日間 東京ビッグサイトで開催された、コンテンツ東京2017の内の第3回 コンテンツ マーケティング EXPOに参加してきました。

去年も参加しましたが、今年は去年の来訪者数と比べ物にならないくらいの人だかりで驚きました。

いくつかセミナーにも参加したので、本日はそのうちの1つのアウディジャパン株式会社 デジタル&CRM マネージャー 井上 大輔様による「アウディが仕掛けるコンテンツ戦略、4つのチェック項目~コンテクスト(文脈)で差をつけるには~」に関してご紹介させて頂きたいと思います。

目次

1. 情報過多時代突入
2. コンテクストとは?
3. ユーザーに紐付いたコンテクストの例
4. アウディのコンテクスト管理シート
5. アウディが注力しているコンテクストと他社事例
6. コンテクストに沿ったサイトにするには
7. 最後に

1.情報過多時代突入

現在、オンラインもオフラインも情報が溢れかえっている時代です。
下図の通り、9産業(サービス業、情報通信業、運輸業、不動産業、金融・保険業、商業、電気・ガス・水道業、建設業、製造業)におけるビックデータの流通量はこの9年間で約9.3倍も増えていることが分かります。

(出典)総務省「ビッグデータの流通量の推計及びビッグデータの活用実態に関する調査研究」(平成27年)

また、下図からも流通している情報量と、人間が消費できる情報量の差が近年どんどん広がっていることが読み取れます。

(出展)総務省「情報流通インデックスの計量」調査(平成23年8月)

今や至るところに情報が溢れかえっているにも関わらず、人間は全く情報量を消費しきれていない状況にあります。

つまり、企業がどれだけたくさんの情報を流してもユーザーに届く可能性は非常に低いと言えます。また、全くニーズのないユーザーに届けても意味はありません。

企業はターゲットとするユーザーに対して確実に情報を届けられる方法を模索しなければならないのです。

2.コンテクストとは?

そのために忘れてはならないことがコンテクストです。

こんな言葉があります。
“Content is the king. Context is the queen, and she wears the pants.”
「コンテンツは、王様。コンテクストは女王様。そして女王様が主導権を握っている。」

コンテンツは最も重要で「王様」という立ち位置にいますが、その裏で主導権を握っているのは「女王様」であるコンテクストと言うことです。

コンテクスト(あるいはコンテキスト)には、文脈・前後関係・背景・状況などの意味があります。

「文脈」と言われてもあまりピンと来ないかもしれませんが、要するにユーザーの背景やニーズを理解して、それに相応しいコンテンツを発信することをコンテクストに沿った手法と呼ばれているのです。

前述の通り、現在ユーザーが消費できる情報を遥かに上回る量の情報が世の中にあふれている中で一方的に伝えたいことだけを発信していてもユーザーは見向きもしません。

ユーザーに興味・関心を持ってもらうために、必要なのがコンテクストです。

3.ユーザーに紐付いたコンテクストの例

例として、「こけし」を販売している企業がどのようにコンテクストを理解した上でコンテンツ戦略を行っていくべきかを考えていきましょう。

上図には、4段階のフェーズとそれに合わせた3つの項目があります。

第1のフェーズとして、ユーザーは「部屋に和のテイストがほしい」というニーズが発生します。

そのユーザーの心にあるものが、jobs to be doneです。このjobs to be doneとは、直訳すると「片付けるべき仕事や用事」。

「部屋に和のテイストがほしい」というニーズを満たすために、和のテイストのものを取り入れるという仕事ができました。その仕事を片付けるためにどんなアイテムがふさわしいかを調べます。

競合するアイテムには、和の雰囲気のあるライトやすだれなどがあげられると思います。

そこでマーケターのミッションは、こけしがこの「部屋に和のテイストがほしい」というニーズに応えられる解決策になるということをユーザーに認識してもらうことです。

こけしが「部屋に和のテイストがほしい」というニーズの解決策として認識してもらった次のフェーズでは、新たに「こけしがほしい」というニーズが発生します。

こけしが自分のニーズに相応しいと判断したユーザーは、どんなこけしがいいのかを検討し始めます。

マーケターは数あるこけしの中から自社の商品をユーザーに認知してもらい、候補に選ばれるための施策を考えなければなりません。

いよいよ次の第3フェーズでは、ユーザーは、複数の選択肢の中から自分の好みに合ったもの(好きなデザインや形など)を選び出します。

マーケターは、自社の商品の優位性を訴えて、「この商品がほしい」と思われるアピール方法を考える必要があります。

最終的にユーザーは1つのこけしを選び出しました。そして「お得に入手したい」という第4のフェーズに到達します。

「このこけしがほしいけど、値段が張るからどうしよう」と悩むユーザーもいるでしょう。

そこでマーケターは、割引などのお得な情報を提供して最後の一押しをすることで、購入を促します。

このようにユーザーは、いろんな段階を経て最終的な購入に至ることが理解できたかと思います。

しかし、ほとんどの企業は第3フェーズのユーザーに対するアプローチに偏っているため、この層を意識したコンテンツが多い傾向にあります。

このフェーズのコンテンツばかり展開していても、別のフェーズにいるユーザーにはピンときません。

ユーザーのコンテクストを理解してそれぞれのフェーズに合ったコンテンツを発信していくことで、段階的にリードを獲得し、最終的には購入にまで至る道のりを作っていくことが重要です。

コンテクストに沿ったコンテンツ制作は「All Write!」から

4.アウディのコンテクスト管理シート

ここでアウディ社が実際に行っているコンテクストに沿ったマーケティングの取り組みをご紹介しましょう。

基本となる考え方は、「誰に何をしてもらいたいのか」をということだそうです。

「コンテクスト管理シート」を活用し、自社や広告代理店の方にも記入してもらってから、それに沿ってマーケティング活動を行っているそうです。

残念ながら、実物のコンテクスト管理シートは非公開でしたが、おおよそ下図のようなフレームワークを活用しているようです。

誰に(和のインテリアを探している人)何を(こけしの魅力を理解してもらう)してもらいたいのかを明確にした上で、そのユーザーに対してどんなアクションを起こしてもらったらいいか(CTA)、そのアクションに対するゴール(KPI)を設定します。

コンテクストに沿って考えることで、ユーザーのニーズを満たしたコンテンツを発信することができるので、あふれかえった情報の中からユーザーに見つけてもらえる可能性が高くなります。

5.アウディが注力しているコンテクストと他社事例

さらに重要なコンテクストとして忘れてはならないのが、UI(ユーザーインターフェース)やサイトの最適化といったポイントです。アウディもこのポイントに大きくコストを掛けているそうです。

ユーザーにとって分かりづらかったり、利用しにくかったりするサイトでは離脱率が高くなってしまいます。

そのサイトにユーザーが求めているコンテンツがあったとしても見る前に離脱してしまったとしたら、大きな機会損失になります。

そのため、UIやサイトの最適化もれっきとしたコンテクストになり、この2つを改善することによって、ユーザーをサイトに留めることができ、コンテンツを届けることができるのです。

それから、他社事例を2つほどご紹介したいと思います。
まずは、Googleです。Googleが価値のある企業になったのは、ブランディングの担当者がいたわけではなく、UXやUIにあらゆるリソースを注ぎ込んだ結果だそうです。

Googleは毎時間、1ピクセル単位で検索結果の表示画面を変更していたそうです。Googleで検索した時にどのような検索画面になればUIが良くなり、UXが高くなるのかを研究に研究を重ねた結果、現在の地位を築くまでになりました。

これもコンテクストに注力したことによる成果と言えるでしょう。

そして次にAmazonの事例をご紹介します。Amazonは、画像の解像度が荒くても容量の軽いバナーにして、サイトの表示速度の速さを重視しているそうです。

多少、画像が荒くてもユーザーの不満につながらないと判断し、表示速度を優先したことでサイトからの離脱を防いでいます。

6.コンテクストに沿ったサイトにするには

それでは、どうやったらコンテクストに沿ったサイトやコンテンツを制作できるのでしょうか。それは、ユーザーの気持ちになりきってサイトを見直してみることに他なりません!!

まずは、ユーザーの視点でサイトを使って見ることで、そのサイトの良いところや悪いところが見えてきます。そのサイトは使いやすいか、分かりやすいか表示速度はどうかなどをチェックして、最適化を行っていきましょう。

ユーザーになりきってサイトを使ってみることを「ウォークスルー」と呼びます。アウディでは、業務プロセスの中に盛り込んでいるそうです。

現在、PCよりモバイルからの流入が多くなりつつあります。Googleも60%がモバイルから検索され、アウディも50%以上がモバイルからの流入になっているようです。

モバイル端末は既に人間の感覚器官の一部になっていると言っても過言ではないので、UXやUIに問題があるとユーザーがすぐに離脱してしまいます。

モバイル端末の利用率は今後ますます高まっていくことを考えると、サイトのUIやUXの改善は絶対に欠かすことのできない対策の1つだと言えるでしょう。

7.最後に

長くなりましたが、今回はコンテンツマーケティングEXPOで聴講したアウディジャパン株式会社のセミナー内容を中心にコンテクストに沿ったマーケティング施策の重要性についてお届けしました。
気になる点等何かあればFacebookにコメントをいただければと思います。
これからも、このブログを読んでいただければ嬉しいです。

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